SOLDIERS in FF12

魔人ベリアス

魔人ベリアス：
いちばん最初に手に入る召喚獣。序盤はその防御力が強みだが、後半はちょっと頼りない。ただ、魔人の門をあけてくれたりと心遣い（？）も嬉しいやつ。

１

Ｚ：　「今日はわざわざ呼び出して何の用だ？」
モンブラン：　「仕事を頼みたいクポ。でもいつもとちょっと違うから説明したいクポ」
Ｃ：　「モブハントじゃないの？」
モンブラン：　「アルケイディア軍の調査隊がレイスウォール王墓を調査することになったんだけど、兵士程度じゃ勝てない魔物が何体かいるせいで難航してるクポ。だからその魔物を討伐してほしいクポ」
Ｓ：　「別に俺たちでなくてもよいのではないか？」
モンブラン：　「入ってすぐの所にいるデモンズウォールは制限時間内に倒さないと強制的に外に追い出されちゃうクポ。制限時間内に倒せそうなのはうちでは３人だけクポ」
Ｚ：　「なるほど。俺たち、性格に問題はあっても腕は超一流だからな」
モンブラン：　「……そのセリフ、自分で言ってて疑問に思わないの？　あと注意して欲しいのは、技や魔法で周囲を壊さないようにしてほしいクポ。遺跡なんだから壊してもらっちゃ困るクポ。特にクラウドとセフィロス！」
Ｓ：　「なぜ俺まで……」
モンブラン：　「二人の喧嘩は周りを気にしないから被害が大きいクポ。少しは反省するクポ。ザックスはそこまで暴れることないし」
Ｚ：　「よく分かってるじゃないか」
モンブラン：　「でもそのぶん比較的目立たなくて事後処理で苦労することが多いクポ」
Ｓ：　「なるほど。確かによく分かってるな」
Ｚ：　「うわあぁぁぁーっ!!（泣）」
モンブラン：　「まあ、あれくらいなら放っておいても10分で立ち直るクポ。あとクラウド」
Ｃ：　「なに？」
モンブラン：　「その遺跡には『暁の断片』って破魔石とレイスウォール王の財宝があるらしいクポ。ちなみにその財宝って実は召喚獣のことらしいクポ」
Ｃ：　「ほんと?!」
モンブラン：　「ダラン爺の情報だから確かクポ」
Ｃ：　「この仕事確かに引き受けたよ！　ザックス、泣いてないでさっさと行くぞ！」
Ｚ：　「どうせ俺なんか……」
Ｃ：　「しっかりしろ！　今度SQUARE ENIXって会社が出すゲームの主役に抜擢されたんだろ？」
Ｓ：　「俺でさえまだ主役になっていないのに……裏切り者め」
Ｚ：　「そうだな……俺は主役だったな。こんなところで落ち込む必要なんかない！」
モンブラン：　「（単純クポ……）」
Ｃ：　「さあ、出発……ってそのお墓はどこにあるの？」
モンブラン：　「西の大砂海を越えた先クポ」

２

レイスウォール王墓
Ｚ：　「やっと着いた……」
調査員：　「ずいぶん遅かったですね。腕利きと聞いていたんですが」
Ｚ：　「いや、魔物は別に秒殺なんだけどよ。先頭のクラウドが道に迷うし、セフィロスはアルラウネからあまい果実を盗んでは密猟するしで時間かかったんだ」
Ｃ：　「だって周りが同じような建物と砂漠ばっかりだから現在位置が分かりづらいんだよ」
Ｓ：　「隣の果物屋の親父に頼まれてな。調達してきたら買い取るそうだ。アルラウネから奪えば元はタダ！　それを売れば俺は大儲けだ」
調査員：　「セフィロスさん、仕事を先にしてくれると助かるんですが」
Ｓ：　「ふむ、まあよかろう」
調査員：　「とりあえず倒していただきたいのはデモンズウォール×２と、召喚獣らしき魔物１体です」
Ｚ：　「わかった。じゃあ、行こうか」

Ｃ：　「で、デモンズウォールとやらはどこにいるの？」
調査員：　「あなたの後ろで武器を振り下ろそうとしているのがそうです」
Ｃ：　「へ？……うわーっ!!」
Ｓ：　「クラウド！　貴様、そういうことは早く言え！」
Ｃ：　「まったくだよ。痛かったじゃないか」
調査員：　「普通は「痛かった」じゃすまないと思うんですが」
Ｃ：　「とっさにシールド張ったからね」
調査員：　「シールド？　聞いたことのない魔法ですね……。まあ、とりあえず倒しちゃってください」
Ｓ：　「ふっ、この正宗の錆に……」
Ｚ：　「ブレイバー！！」
（デモンズウォール、真っ二つに）

Ｚ：　「よし、さっさと次に行くぜ！……どうした、セフィロス？」
Ｓ：　「いや、なんでもない」

調査員：　「今度は前から来ます！」
Ｓ：　「くっくっくっ……今度こそ」
Ｚ：　「超究武神覇斬ー！」
（デモンズウォール、粉々に）

Ｓ：　「……」
Ｚ：　「他愛のない……セフィロス？」
Ｃ：　「見せ場をとられたから、拗ねちゃったんだよ」

Ｃ：　「なんだか最近ザックスがやけに強くないか？　超究武神覇斬まで使うし……」
Ｓ：　「ノリの問題だろう。主役になった喜びで、普段使っていない力が引き出されているのだ。単純だからな」
Ｃ：　「ああ、納得」

３

調査員：　「あとは召喚獣みたいなやつだけです。私は先に出てるので終わったら報告に来てください」
Ｚ：　「魔物が出るけどいいのか？」
調査員：　「デモンズウォールとか以外なら大丈夫。楽勝です」
Ｃ：　「そ、そう……；」

（レイスウォール王墓　炎の回廊）
ベリアス：　『俺は魔人ベリアスなんて呼ばれてる。あんたは誰だ？』
Ｚ：　「俺は……」
Ｃ：　「おれは召喚獣ハンター、クラウドだ」
Ｚ：　「邪魔するなよ。それにおまえ、何でも屋だろ？」
Ｓ：　「無駄だ。召喚獣が目の前にいる以上、あいつは捕獲優先だからな。それにゲームがどうあれこのシリーズは基本的にクラウドが主役だしな」
Ｚ：　「!!」
Ｃ：　「なにごちゃごちゃ話してるんだよ」
Ｓ：　「いや、この世界の裏事情というか……気にするな」
ベリアス：　『そうか……あんたがあの噂に聞く召喚獣ハンターか』
Ｓ：　「……有名なのか」
ベリアス：　『もはや知らないやつなんていないぜ。マテリアハンター・ユフィと並んで有名だからな。様々な世界をまたにかけて召喚獣を探す男……というか子供のことは月刊「召喚獣」（税込630ギル）によく載ってるんだ』
Ｚ：　「なんだよその雑誌は。召喚獣って雑誌を読むのか？　それに誰が取材・発行してるんだ？　税込って税金を払ってるのか？　更に言うならどこの店で売ってるんだよ！」
Ｓ：　「ツッコミどころ満載だな」
Ｚ：　「ツッコミすぎて疲れた……」
ベリアス：　『単なるエネルギー体じゃなくて自律して意識があるからな。召喚獣もこんな遺跡とか洞窟にずっといると退屈するんだよ。俺のところは送ってもらってるから他のことは知らねえ』
Ｚ：　「誰が送ってるんだよ」
ベリアス：　『グラシャラボラスとか』
Ｓ：　「なるほど。物を配達するにはもってこいだな。……ん？　クラウド？」
Ｃ：　「誰が子供だって？（怒）」
Ｚ：　「あ、雑誌の問題に気をとられてて子供発言はスルーしてたな」
ベリアス：　『見た目子供だろ。問題でもあるのか？』
Ｓ：　「クラウドには禁句だ。とりあえず……死ぬな」
ベリアス：　『そういえは随分前にそんなことが書いてあったような……；』
Ｃ：　「お仕置きだ！　ウォータ！」
ベリアス：　『その程度……ぐわあぁぁっ！』
Ｓ：　「クラウドの魔力で放たれたウォータだからな。威力は洒落にならんぞ」
Ｃ：　「まだだ！　リヴァイアサン！」
ベリアス：　『うう……（すでに瀕死）』
Ｃ：　「ついでに元祖超究武神覇斬！」

更に水のイラプションが（なぜか）追加発動！

Ｓ：　「鬼か・・・；」
ベリアス：　『最後のは条件満たしてないのに・・・ガクッ』

クラウド達は魔人ベリアスの召喚ライセンスを奪い取った！
ベリアスは「口は災いの元」の意味をいやと言うほど実感した！　少し賢くなった！

（30分後）
Ｃ：　「だから人を子供扱いしたり、女扱いしたり、チョコボ扱いするなよ？　わかった？」
ベリアス：　（ファイジャで復活）『は、はい！』
Ｚ：　「なあ、この遺跡に破魔石があるってきいたんだけど」
ベリアス：　『この奥の、更に奥にある隠し部屋だ。ちょっと前に７人組の連中（アーシェ達）が来たけど、そいつらは手前の部屋にあった偽物を持ってったよ。破魔石は幻を見せるんだ。ジェノバ抱えて平然としてるあんた達なら大丈夫だと思うけど気をつけろよ』

４

Ｚ：　「こいつが破魔石か？　マテリアじゃねえか」
Ｃ：　「だろうね。ヒュージマテリアよりも小さいけどエネルギーは相当なもんだよ。使い捨てみたいだけどね」
Ｓ：　「……」
Ｚ：　「セフィロス、どうした？」

セフィロスの攻撃！　ザックスは（ぎりぎり）かわした！

Ｓ：　「くっくっくっ……この裏切り者め」
Ｚ：　「おい、セフィロス……冗談もほどほどにしろよな」
Ｓ：　「黙れ。さあ、クラウドよ……その破魔石を持ってくるのだ」
Ｃ：　「はい、セフィロス。俺、持って来ました。破魔石、持って来ました！」
Ｚ：　「冗談じゃねえのかよ！　おい、クラウド！　正気に戻れ！　せっかく（主にティファ達が）苦労して自分を取り戻したんだろ？　主役なんだろ！」
Ｃ：　「主役……？　本当に？」
Ｚ：　「そうだ！」
Ｃ：　「自ら認めたな、ザックス。おれは最初から正気だったんだよ」
Ｚ：　「騙しやがったな！」
Ｓ：　「クラウドよ……やはりお前も裏切るのか」
Ｃ：　「使い捨てのヒュージマテリアなんて、興味ないね」
Ｚ：　「セフィロス、恨むなよ!!　見様見真似超究武神覇斬！」

セフィロスにはたいして効いていない！

Ｓ：　「愚かな……所詮お前のバスターソードはクラウドの初期装備。釘バットやアルテマウェポンに比べれば全然効かんな」
Ｚ：　「し、しまったーっ!!」
Ｓ：　「さあ、死ぬがいい！」
Ｃ：　（背後から）「元祖超究武神覇斬！」
Ｓ：　「ぐあっ!!」

クラウドの攻撃！セフィロスにクリティカルヒット！

Ｃ：　「そのアルテマウェポン持った本人がいるのを忘れてもらっちゃ困るよ」
Ｓ：　「くっ……私は思い出には」
Ｚ：　「ならなくていいからさっさと正気に戻れ！」（ハリセン一閃）
Ｃ：　「おれが殴ろうと思ったのに……。ところでそのハリセンどこから出したの？」
Ｚ：　「あれ、いつの間に……」
Ｓ：　「ぐっ……ツッコミとしての本能で無意識のうちに出したんだろう」
Ｃ：　「あ、元に戻ったな」
Ｚ：　「あのな。こういうマテリアの塊見るたびに錯乱するの、いい加減どうにかならねえのか？」
Ｓ：　「いや、今回は不可抗力だと思う。幻とはいえ『爽やかに微笑む宝条』などというものを見せられては正気を保てようか、いやない！」
Ｚ：　「反語かよ。その意見は否定できんが……で、これ結局どうするんだ？」
Ｃ：　「興味ないけど軍に利用されても面倒だしね。持って帰ろう」

クラウド達は「暁の断片（真）」を手に入れた！

（外）
Ｓ：　「終わったぞ」
調査員：　「大丈夫でしたか？」
Ｃ：　「うん。ちょっと頭にきて派手な攻撃連発しちゃったけど、セフィロスが周りへの影響抑えててくれたから遺跡への被害も無いよ」
Ｚ：　「（破魔石の隠し部屋以外はな）」
調査員：　「どうしました？ザックスさん。何か言いたいことがあるみたいですけど」
Ｚ：　「（心を読まれてる!?）いや、別に……」
調査員：　「そうですか……てっきり実は何か壊したのが言い出せずに気まずいのかと……なんて考えすぎでしたね（笑）」
Ｚ：　「ごめんなさい（土下座）」
調査員：　「おや、何か？」
Ｚ：　「ちょっと喧嘩になって、それを止める際奥の隠し部屋の壁や床に傷が付きました」
調査員：　「人間正直が一番ですねえ」
Ｃ：　（こっそり）「天然？」
Ｓ：　（こっそり）「いや……天然というかむしろ腹黒だな」
調査員：　「では報酬は２割引きということで」
Ｚ：　「う……でもそれくらいですむならまあいいか」
調査員：　「では早速調査しますか。モンブランさんによろしくお伝えください」
Ｃ：　「ああ」

（クラン・セントリオ本部）
モンブラン：　「で、持って帰ってきたわけクポね」
Ｓ：　「さて、この破魔石はどうするのだ？」
Ｃ：　「ビュエルバのセブンスヘブンの置物にしたら？」
Ｚ：　「駄目だ。言い伝えのとおりならルース魔石鉱の魔石が全部駄目になる恐れがあるからな。大陸の浮力が失われて墜落するかも……」
Ｓ：　「ティファは無事だろうがな」
Ｃ：　「ティファだって怪我ぐらいするよ」
モンブラン：　「問題はそこじゃないクポ」
Ｚ：　「ナナキに預けたらどうだ？」
Ｓ：　「どこかに埋めてしまうのではないか？　犬だからな」
モンブラン：　「ヴィンセントに預けても、いつも寝てるから盗まれる可能性大だし……役に立たないクポね」
Ｚ：　「エアリスはなかなか連絡つかないしなー」
Ｃ：　「埒があかないね。しょうがないからとりあえず家の倉庫に入れといて、シールドかけて封印しとこう」

こうして暁の断片はなんでも屋の倉庫の片隅で埃をかぶることになったとか……

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