SOLDIERS in FF12

ザックスの苦労の日々

午前６時にザックスは目が覚める。なぜ？　それは朝食を作らないといけないからだ。セフィロスも料理は（煮込み限定で）出来るが、朝早くから作ろうとはしない。クラウドにいたっては豪快に焼いて焦がしてしまうので却下だ。そして準備が終わる頃にクラウドとセフィロスも起きてくる。

Ｓ：　「なんだこのドレッシングは。キャベツには醤油だと言っただろうに」
Ｃ：　「ご飯おかわり」
Ｚ：　「食べる専門のクラウドはまあいいとして、文句があるなら自分で用意しろよ……まったく毎日毎日人の苦労も知らないで」
Ｓ：　「面倒だ（キッパリ）」

食器を洗って片付け、９時頃に自分の喫茶店に出勤（まあ何でも屋の仕事でたびたび休むので経営云々に関しては副店長にまかせてるけど）。評判もなかなかよく、収入も安定している。クラウドとセフィロスはここにはたまにしか来ないので、ここでの仕事はザックスに許された数少ない平和な時間だった。

Ｚ：　「ふう……」
アルバイトＡ：　「どうしたんです？店長」
Ｚ：　「いや、最近なんでも屋の仕事ばかりだったからいろいろストレスが溜まっててな。あいつらが好き勝手に暴れるから後始末とかせんとならないし……胃薬が手放せねえんだ」
アルバイトＢ：　「大変っすね」
Ｚ：　「でもここなら『ご飯まだ？』って言ってくる奴らもいないし、喧嘩の仲裁もしなくていい！　なにより平和だ！　この時間がずっと続けばいいのに……」
アルバイトＢ：　「店長、相当追い詰められてるな」
アルバイトＡ：　「どこか旅行にでも行ったらどうですか？　クラウドさんとセフィロスさん抜きで」
Ｚ：　「そうだな……店の皆でどこかに行くか？　費用俺持ちで」
アルバイトＢ：　「店長太っ腹！」

が、いつも平和とは限らない。

Ｍ：　「紅茶とクッキーのセットをお願いするクポ」
Ｚ：　「種類は？」
Ｍ：　「お任せで」
Ｚ：　「わかった」
Ｍ：　「ところでザックス、あの二人どうにかならないクポ？　今日なんかクラン加入希望者の試験を任せたら『一撃入れられたら合格だ！』って言って全員返り討ちにしちゃったクポ。全員打ち身ぐらいで済んだけど、一対一とはいえあの二人相手じゃ合格者なんて出るわけないクポ」
Ｚ：　「でもあいつらとしては手加減してるつもりだと思うぜ。参加者のレベルも低かったんじゃねえか？」
Ｍ：　「君たち三人が高すぎるんだクポ。とっくの昔にＬｖ９９になってる人の規準で考えないでクポ」
Ｚ：　「確かに……すまん」

と、このようにクラウドやセフィロスに関する文句や愚痴を言いにやってくる客もたまにやってくる。本人に言うとボコボコにされる危険があるため比較的常識的なザックスに言ってくるのだ。……否定できないのが悲しい。

午後８時、何でも屋事務所兼住居に帰ってみると、なにやら破壊音が聞こえてくる。だが近所の人は平然としている。

おばちゃんＡ：　「ザックスさん、お帰り。今回はなんかご飯のことで揉めてるみたいだねえ」
Ｚ：　「いや、迷惑をかけてすみませんね」
おばちゃんＡ：　「もうこの騒音なんかにも慣れちゃったよ。今じゃあ今度はどっちが勝つかで賭けもやってるくらいさ」

日常茶飯事なので気にならないようだ。それでいーのかご近所の皆様；

やはり事務所はぼろぼろになっていたが、二人とも魔法は使っておらず、建て替えの必要はなさそうなのが不幸中の幸いである。

Ｚ：　「で、何が喧嘩の原因なんだ？」
Ｃ：　「ザックス、夕飯用にコロッケ作ってただろ？　おれが食べようと思ってたチーズ入りのやつをセフィロスが取ったんだ！」
Ｓ：　「早いもの勝ちだ」
Ｚ：　「他にもあっただろう」
Ｃ：　「あれが一番大きかったんだ！」
Ｚ：　「ああもう、また作ってやるから喧嘩はやめろ！」

そして１１時頃に就寝。彼が苦労が報われ、胃薬から解放される日はくるのか？　それはまだわからない……