FF7 MEMORIES

　よし、ここまでは予定どおりだ。しかし、五番魔晄炉に辿りつくまでは油断は禁物だぜ。ビッグス、ウェッジ、ジェシーが先行している手はずになってる。行くぞ、おまえらっ！

「さあて、五番魔晄炉はこのトンネルの奥だ！」

　神羅の警備兵がいる……戻るしかないか。
　貴様、アバランチだな！（逃げる／踏みとどまる）

　侵入者だ！
　テロリストの襲撃だ！
　アバランチが襲ってきたぞ！
　警備兵の増援が来るようだ。このままでは危ない。（逃げる／踏みとどまる）

「この先の帯は神羅の警報センサー。これ以上奥には進めないな」

　ここまで来て警報センサーの世話になるなんてのは素人だけだ。

　か〜っ、狭っちい穴だな。ここからプレートの下に潜れってのか？　たまんねえぜ。どうする、クラウドさんよお？

　中をよく見てみる

　……ダクトの中に足がかりになりそうなものはないわね。
　ああ、このダクトをおりたら、ここには戻ってこれないぞ。
　のんびりしてる暇はないぜ。いつ神羅のやつらにオレたちの行動がばれないとも限らない。クラウド、行くしかないぜ。

　おりる

でもよ、ぞっとしねえな。

　おりない

入らねえのか？　ここを通る以外には、五番魔晄炉に行く方法はないんだぜ。

　おりる

でもよ、ぞっとしねえな。

　おりない

入らねえのか？　ここを通る以外には、五番魔晄炉に行く方法はないんだぜ。

　クラウドさん、こっちっす。五番魔晄炉はこの梯子の先っす。
　ごめんなさい、列車のIDスキャンのミス、わたしのせいなの。クラウドのIDカード、わたしの特別製にしたから……あんなことに。心をこめたつもりだったんだけどね、失敗しちゃった。今度はもっとましなのプレゼントするわ。先にアジトに帰って研究開発に励んでるからね。
　俺たちはこれで引き揚げる。アジトで落ちあおうぜ。クラウド、五番魔晄炉の爆破、よろしく頼むぜ！

『パパ……。セフィロスね！　セフィロスがやったのね！　セフィロス……ソルジャー……魔晄炉……神羅……全部。全部大嫌い！』

「おい、しっかりしてくれよ！」
「大丈夫？」
「……ティファ」
「ん？」
「い……いや……気にするな。さあ急ごう！」

　わかってるさ。あんたは俺の見張りだろ？
　そういうことだ。ティファの幼なじみ……それだけじゃ不安なんでな。

「三人同時にボタンを押せってジェシーが言ってたわ」［失敗：　失敗ね、もう一度］

「こっちだ！　神羅兵!?　くそ、どうなってんだ？」
「……罠か」

「ぷ、プレジデント神羅!?」
「なぜ、プレジデントがここにいるの？」
「ほほう、きみたちがあれかね……なんて言ったかな？」
「アバランチだ！　憶えておけ！　おまえはプレジデント神羅だな」
「久しぶりだな、プレジデント」
「……久しぶり？　ああ、きみがあれかね。アバランチとやらに参加しているという元ソルジャー。確かにその目の輝きは魔晄を浴びた者……その裏切り者の名前はなんと言ったかな？」
「クラウドだ」
「すまないが、ソルジャーの名前なんていちいち憶えておらんのでな。せめてセフィロスぐらいにはなってもらわんと。そう、セフィロス……。優秀なソルジャーであった。そう、優秀すぎる……な」
「セフィロスだと……？」
「んなこたあ、どうでもいい！　もうすぐここはドッカン！　だぜ。ざまあみやがれ！」
「そうだな。きみたち蛆虫を始末するには、高価すぎる花火ではあるが……」
「蛆虫だと？　言うにことかいて蛆虫だと！　貴様ら神羅はこの星を死に追いやろうとする寄生虫じゃねえか！　その親玉である貴様が、なにをえらそうにほざく！」
「……そろそろ、きみたちの相手をするのにも飽きたよ。わしは多忙なのでな。もう、失礼させてもらうか。今日は会食の予定があるものでな」
「会食だと？　ふざけやがって！　おまえには言いたいことがまだまだあるんだ！」
「きみたちの遊び相手は別に用意させてもらった」
「!?　なんの音？」
「な、なんだこいつは！」
「我が社の兵器開発部が試作した機動兵【エアバスター】だ。きみたちとの戦闘データは今後の開発の貴重なサンプルとして利用させてもらうよ」
「……機動兵？」
「では失礼」
「待て、プレジデント！」
「おいクラウド！　とりあえず、こいつをなんとかするぞ！」
「助けて、クラウド！　これ、ソルジャーなの？」
「まさか、ただの機械さ」
「なんでもいい！　ぶっ壊してやるぜ！」

「もうすぐ爆発する！　行くぞ、ティファ！」
「バレット！　なんとかならないの？」
「どうしようもねえな」
「クラウド、なんとかして生きて！　死んじゃダメ！　話したいことがたくさんあるの！」
「わかってる、ティファ」

　おい、なんとかなりそうか？

　（強がる）

　……自分の心配でもしてろ！　俺はいいからティファを！
　……そうか、いろいろ悪かったな。
　これで終わりみたいな言いかたはやめてくれ！
　じゃあ、あとでな。

　（ダメかもしれない……）

　くっ、長くはもちそうにない。バレット……は、早く！
　情けない声出すんじゃねえよ。悪いが、なにもしてやれそうにない。自分でなんとかしてくれ。
　バレット……。

『……大丈夫か？……聞こえてるか？』
（……ああ）
『あのときは……膝すりむいただけですんだけど……』
（……あのとき？）
『今度はどうかな？　起きられるか？』
（……あのとき？……今度は？）
『気にするな。いまは身体のことだけ考えるんだ。身体動かせるか？』
（……やってみる）
（あっ！　動いた！）
「ふう、よかったあ」
『……どうだ？　ゆっくりな。少しずつ少しずつ……』
「もしもし？」
（……わかってるさ。なあ……あんた誰だ？）
「もしもーし！」

「だいじょぶ？　ここスラムの教会。五番街よ。いきなり落ちてくるんだもん。驚いちゃった」
「……落ちてきた」
「屋根と花畑、クッションになったのかな。運いいね」
「花畑……あんたの花畑？　それは悪かったな」
「気にしないで。お花、結構強いし。ここ、特別な場所だから。ミッドガルって草や花、あまり育たないでしょ？　でも、ここだけ花咲くの。好きなんだ、ここ」

　もう少し時間をやるぞ、と。

　……また会えたね。……憶えてないの？

　（会ったことがある……）

　ああ、憶えてるさ。

　花を売ってたな

あっ嬉しいなー！　あのときはお花買ってくれてありがと。［花を買わなかった：　でも、お花買ってくれなかったね。まあいっか］

　スラムの酔っ払い

失礼しちゃうわね！　でも、お花買ってくれたから許してあげる。［花を買わなかった：　なーんにも憶えてないんだ。まあいっか］

　（確か初対面だ）

……憶えてないかぁ、あなた、ぼーっと歩いてたしね。でも、お花買ってくれたから許してあげる。［花を買わなかった：　まあいっか］

「ね、マテリア持ってるんだね。わたしも持ってるんだ」
「いまは、マテリアは珍しくもなんともない」
「わたしのは特別。だって、なんの役にも立たないの」
「……役に立たない？　使いかたを知らないだけだろ？」
「そんなことないけど……でも、役に立たなくていいの。身に着けてると安心できるし、お母さんが残してくれた……」

　ね、いろいろお話したいんだけど、どうかな？　せっかくこうしてまた会えたんだし……ね？

　ああ、構わない

じゃ、待ってて。お花の手入れ、すぐ終わるから。

　話すことなどない。

……なるほど。あーあ、誰のせいかな〜。せっかく元気に育ったのにね〜。お花さん、かわいそ。

「もー少し待ってて。あ！　そいういえば、まだだった。おたがい名前知らないね。わたしは……わたし、花売りのエアリス。よろしくね」
「俺はクラウドだ。仕事は……仕事はなんでも屋だ」
「はあ……なんでも屋さん」
「なんでもやるのさ。なにがおかしい！　どうして笑う！」
「ごめんなさい……でもね」

　タイミング悪いなあ。

「クラウド、構っちゃだめ！」

　俺に構うな、だと。

「ねえクラウド。ボディーガードも仕事のうち？　なんでも屋さんでしょ？」
「……そうだけどな」
「ここから連れ出して。家まで連れてって」
「お引き受けしましょう。しかし安くはない」
「じゃあねえ……デート一回！」

「どこの誰だか知らないが……知らない……？」
『知ってるよ』
「そうだ……俺は知っている。その制服は……」
「……お姉ちゃん、こいつ、なんだか変だぞ、と」
「黙れ、神羅の犬め！」
「レノさん、やっちまいますか？」
「考え中だぞ、と」
「ここで戦ってほしくない！　お花踏まないでほしいの！　出口奥にあるから」

「あれは……魔晄の眼。ま、いいかあ。お仕事、お仕事、と。あっ！　お花踏まないでね、だと」
「レノさん踏んだ！」
「花ぐしゃぐしゃ！」
「怒られる〜！」