FF7 MEMORIES

　なあ、お兄さん、お兄さんを男と見込んで相談があるんだけど、聞いてくれないかな？

　……言ってみろ

　本当か！　そりゃありがたい……で、悪いんだけど、そっちのお嬢さん、ちょっとだけ、むこうを向いててくれないか？
　えー、どうしてー？
　……エアリス。
　もうっ！
　すまないね、お嬢さん。で、本題なんだけど、宿屋の中に自動販売機があるのは知っているか？　俺はあの自動販売機でなにを売っているのか気になってしょうがないんだよ。ちょっと女性には頼めないものらしいんだよ。え？　自分で買いに行けって？　うーん、じつは宿屋のやつと喧嘩しててね。行きにくいんだよね。なあ頼むよ。

　……引き受けよう

そうか、ありがたい。頼んだよ。

　……興味ないね

そうか、すまなかったな。忘れてくれ。

　興味ないな

そうか、すまなかったな。忘れてくれ。

　持ってきたぞ。
　おお、本当か！　あっ！
　もう。
　で、なんだった？

　200ギルのもの

気合い充填ドリンクゴールドセットか。あいつめ、きっちり商売してやがるぜ。負けてられねえな、こりゃ。お兄さん、ありがとうよ。やる気になってきたぜ。気持ち程度だけど、もらってくれよ。（ダイヤのティアラ）

　100ギルのもの

スタミナ回復ドラッグセットか。あいつめ、きっちり商売してやがるぜ。負けてられねえな、こりゃ。お兄さん、ありがとうよ。やる気になってきたぜ。気持ち程度だけど、もらってくれよ。（ルビーのティアラ）

　50ギルのもの

筋肉すっきり塗り薬セットか。あいつめ、きっちり商売してやがるぜ。負けてられねえな、こりゃ。お兄さん、ありがとうよ。やる気になってきたぜ。気持ち程度だけど、もらってくれよ。（ガラスのティアラ）

　また寄ってくれよ。ちゃんと商売してるからさ。

　すいませんねえ。ちょっと切らしちゃって、なんにもないんですよ。

　なんだよ……う……。

　薬を渡す（消毒薬）

え？　本当にくれるのかい？　ありがたくもらうよ。なんだこりゃ……まあいいか。役には立たなかったけど、気持ちは嬉しかったよ。お礼にこれあげるよ。（コロン）

　薬を渡す（消臭薬）

え？　本当にくれるのかい？　ありがたくもらうよ。なんだこりゃ……まあいいか。役には立たなかったけど、気持ちは嬉しかったよ。お礼にこれあげるよ。（フラワーコロン）

　薬を渡す（消化薬）

え？　本当にくれるのかい？　ありがたくもらうよ。ふー、すっきりしたよ。お礼にこれあげるよ。（セクシーコロン）

　うわ！　ととと。

「すいませーん！　ドレス、一着くださいな」
「うーん、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、構いませんか？」
「なにかあったんですか？」
「ちょっと親父のやつ、スランプなんですよ。あ、ドレスは俺の親父が作ってるんですよ」
「その親父さん、どちらに？」
「たぶん居酒屋で呑んだくれてますよ」
「それじゃ……親父さん、どうにかしないと、ドレス、ダメってこと？」
「はい、そうですね。困ったもんですよ。！　もしかしてお客さん、どうにかしてくださるんですか？」
「だからー！　どうにかしないと、ドレス、手に入らないでしょ？」
「本当っすか！　お願いしますよ。あの馬鹿親父をどうにかしてくださいよ。もう困り果ててたんですよ……」
「はいはい、どうにかします。クラウド、行きましょ」

　どうでした？
　まだ会っていない。

「あのー、服屋の親父さん、ですよね？」
「確かに服屋だが、あなたの親父ではないぞ」
「そんなこと言ってない……」
「服を作ってくれ」
「わしは男物の服は作らんのだが？　それにあまり気乗りがせんしな」
「クラウド、すこーし、待ってて。わたし、話すから。むこうでなにか飲んでていいよ。あのね、おじさん、あの彼がね、一度でいいから女の子の格好したいって言うの。それでね、可愛いドレス着せてあげたいんだけど……」
「なんと！　あんな無愛想なやつがか？」
「ね、ね、どう？　作ってくれる？」
「ふむ、なかなか面白そうだのう。普通の服ばかり作っておったので、ちょっと飽きとったんだよ」
「じゃあ、作ってくれる？」
「ああ、よかろう。それで、どんなドレスがいいんじゃ？　肌ざわりは？（さらっとしたの／さわっとしたの）　光り具合は？（きらきらしたの／つやつやしたの）　ふんふん、ようわかったわい。知りあいにそのてのことが趣味なやつがおるので、ちょっと聞いてくるわい」

　なんじゃ、そう急ぎなさんな。イメージが湧くまで待たんとな。ゴクゴク、ふー、うまいのう。

　やっぱり踏ん切りがつかねえや。ええい、これあげるよ。これがなきゃ入れないからな。

　おっ！　右手に輝く【会員カード】。どうぞお通りください。
　ここには女装に必要ななにかがある。俺にはわかるんだ。
　……ふーん、そうやってごまかしますか！
　行くぜ！

　ポッ……ｖ　お客さんｖ　早くっ早くっｖ　お部屋を選んでねｖ（変なお客……ま、いつものことｖ）

　使用中のようだな。

　聞き耳を立てる

………。

　覗き見る

……すごい！

　あいているようだな。

　この部屋にするか

　この部屋に決めたよ。
　はーいｖ　決めたら、あとはお部屋に入るだけよｖ　もう気持ちは変わらない？

　何度も言わせないでくれ

　怒っちゃいや〜ｖ（いやだ……きっと乱暴なお客ね……）はーいｖ　どうぞｖ

　まだ決めかねているんだ

　いいわ〜んｖ　ゆっくり考えてｖ（むっつりさん！）

　踏みとどまる

　………。

　フンフンフン……ｖ　うーんｖ　なかなか細くなんないのよね。フンフンフン……。あら、いやだ！　お客さん、こんなとこまで入ってこないでねｖ（いやだわ……エッチなお客さん……）あら……！　（……まだいたの。ま、いいわ。ちょうどいいし）ねえ、わたしのことどう思う？

　興味ないね

ガーン！　ショック！

　……べつに

あら、照れちゃってるのかしら。（なによ、ムッツリしちゃって……）

　フンフンフン……フンフンフン……フンフンフン……フンフンフン……ハァハァ……ハードだわ。あら！　どうかしら？

　まだだな……

ムカッ。

　……べつに

フン！　あなた、どうでもいいけど、人を怒らせる才能あるかもよ。

　キャｖ　だめー！　イヤン　見ないで〜！

　ぬりぬりぬりぬり……。（いやだ、ときどきいるのよね。こういうデリカシーのない男……無視無視）
パフパフパフパフ……。（フン……！　自分の立場がわかってないのね。惨めな男、もう完全に無視無視）
ピタピタピタピタ……。（しっ、しつこいわね！　ハイ！　あっち行って！　野良犬男……そうだ、名前はポチにしましょう！）
かきかきかきかき……。（どうしましょう……つきまとわれてる？　わたし？　帰り道に待ち伏せとかされたら……やるわ……きっと、このポチ男なら……）
シャカシャカシャカ……。（狙われている？　わたし？　この男、気持ち悪いし……眼の色とか変だし。そうね、こういう男は傷つけちゃダメ。挨拶だけでもしてあげましょう）ポッ……こ、こんちわ。今日はいいお天気ね。

　自己紹介する

　そういえば、自己紹介がまだだったな。俺はなんでも屋のクラウドだ。
　あら、そう……クラウドさん、ご苦労さま。（なによっ！　すぐ調子に乗るんだから、あんたの名前はポチなのよ！）

　さよならだ

バイバイ！（フッ〜、助かった……）。

　ごきげんよう、クラウドさん。