FF7 MEMORIES

「おい、このビルには詳しいんだろ？」
「……知らない。そういえば、本社に来るのは初めてだ」
「前に聞いたことがあるぜ。このビルの60階から上は特別ブロックとかで社員でも簡単には入れないってな。エアリスが連れていかれたのもそこに違いねえ。いまなら警備にも隙がある。おおし、行くぜっ！」
「ちょっと待ってよ！　まさか正面から乗りこむつもり？」
「決まってるだろ！　神羅のやつらを蹴散らして……」
「そんなの無茶よ。もっと見つかりにくい方法を……」
「そんなことやってられねえ！　ぐずぐずしてたらエアリスだって……」
「それはわかるけど！　ここで、わたしたちまで捕まったら……」

　ね、クラウド……どうしたらいいの？

　突っこむぞ！

　そうこなくちゃな！　おおし、行くぜ！

　こっそり行こう

　でしょ？　こんなときこそ慎重にほかのルートを探しましょ！

　ちょっと、困ります！　アポイントメントのないかたはこちらで……。
　悪いな、ちっとばかし急な用件でよ。怪我したくなかったら引っこんでな！
　キャアーッ！
　なんなんだ、あいつら!?
　ま、まさか、やつらがアバランチ!?
　侵入者だ！　捕まえろ！

　一気に上まで行くぞ！

『神羅カンパニー今週の標語：　神羅の未来は世界の未来！　魔晄の光で明るい世の中！』
『かめ道楽通信ナンバー２：　厳しい仕事でお疲れのあなた……ぜひ一度、居酒屋【かめ道楽】へ！　仕事のあとの一杯は最高ですよ！』

　ネエ〜新しい車買ってェ〜。
　そんなこと言ったって、新車は高いしなあ……はい？
　………。
　……ヒ……ヒエ〜。
　イヤ〜、置いてかないでェ〜。

　いらっしゃいませ。本日はなにを……キャッ！　お……お金ならさしあげますから……。
　勘違いするな。アバランチは強盗じゃねえ……あんたんとこのボスに取られたのを取り返しにきただけだ。［エアリスがいるとき：　いや、ま、【もの】ってのはなんだ、よくねえ言いかただがな］
　ア、アバランチ？
　あんたをどうこうする気はねえ。金だってちゃんと払うぜ。
　は、はい、それでは……。またのご来店、お待ち……したくはないです。ホントは……。

　あの、商品を勝手にあけるとか、そういったことは、その、ちょっと……。

　……どうしたの？
　エアリスを助け出すまで騒ぎは起こしたくなかった。まあ無理だろうとは思っていたが……。
　へへへ。
　なんだよ、気持ち悪いな。
　あんたでも他人のために戦うことがあるんだな。見直したぜ。
　あんたに見直されても嬉しくない。
　いや、なんていうか……いろいろ悪かったな。

　な、なんだ!?
　見て、あれ！
　チッ……！　構わねえ、クラウド！　どこでもいいから止めちまえ！

　ヒャッ！　あ、あの、いいんです、間違いでした。私、乗りませんから。ヒェ〜。［二度目以後：　ヒャッ！　ま、まだ乗ってらしたんですか……え、ええ、私は今回もパスしますです。ヒェ〜］

　おい……本気でこれ、上までのぼるつもりか……？
　しょうがないでしょ。エアリスを無事に助けるためよ。
　しかし、いくら見つかりにくいったって、こいつは……。
　もう、ゴチャゴチャ言わない！　行くわよ！
　お、おい、ティファ！　ひとりで行くな！

　なんで……わざわざ……こんな……苦労を……。
　……エアリスを助け出すまで騒ぎは起こしたくないんだ。でも、無理だろうな……。
　……へへへ。
　なんだよ、気持ち悪いな。

　あんたでも他人のために戦うことがあるんだな。見直したぜ。
　あんたに見直されても嬉しくない。
　フフフ……。
　なんだよ、ティファまで……。

　……しかし、この階段、どこまで続くんだ？
　さあ……階段に訊いて。
　このままずっと続くなんてことはないよなあ？
　まさか！
　だよな……そんなはずないよな……。

　まだ着かないのか？
　まだみたいね。
　……まだか？
　まだよ。
　なあ……。
　まだだってば！　まだまだまだまだまだまだまだーっ！

　もうイヤだ！　オレは戻るぞ！
　いままでのぼったのと同じだけ階段おりて？
　………。
　ほら、バレット、しっかりしなさい！
　ん、んなこと言ったって、オレは、み、右腕以外は普通の身体なんだぜ……。元ソルジャーみたいな、と、特別製と……いっしょにしないでくれ……。
　わたしだって普通だってば！　先に行っちゃうわよ！

　……？　キャッ！　やだ、バレット！　やっぱり先に行って！
　ば、馬鹿！　オレはそんなつもりじゃ……。
　いいから！　クラウドも！　先に行って！

　なあ……いま、何階だ？
　……もう数える気にもならない。
　こ……こんな馬鹿高いビル造りやがって……やっぱり、し、神羅なんてろくなやつじゃねえぜ……！
　………。

　ああ……オレはもうダメだ……マリン、父ちゃんはもう一度おまえに会いたかった……。
　ちょっと！　縁起でもないこと言わないの！　もう少し！　もう少しだから！　たぶん……。

　や……やっと……着い……た……。か……階段なんて……もう見るのもごめんだ……。
　ハァ……ハァ……さすがにこれは……こたえたわ……ね……でも、これからが本番よね。元気出していかなきゃ……！

　おい、クラウド！　ここまで来といて、また一階まで戻るのか？

　ああ

そんな暇はねえんじゃねえのか？　ま、おまえの勝手だがな。

　いや……

おう、だよな！　とっとと先に進もうぜ！

「侵入者を排除しろ！」

「これは……」

「ここからが本番だ。油断するな」
「エアリス、無事だといいね」