FF7 MEMORIES

　早くここから逃げなくちゃ……。

「オレが先に行くぜ。チッ……！　すっかり、かこまれてやがる。オレひとりならともかく、このメンツじゃ……」
「……やっぱり、あなたたちだけ逃げて。あの人たちが狙っているのはわたし。あなたたちだけなら……」
「へっ、そうはいかねえな。あんたはマリンを守るためにやつらに捕まった。今度はオレがあんたを守る番だ。これ以上、やつらの……神羅の好き勝手にはさせねえ」
「……ありがと。バレットさん」
「へへ、よしてくれよ。【バレットさん】なんて、オレの柄じゃねえや」
「……さて。きみたちの話が終わったなら、そろそろここから逃げ出す方法を考えてみないか？」
「ん？　あ、ああ……チェッ、いやに冷静なやつだな。どこかの誰かさんみたいだぜ」
「なにか？」
「いや、なんでもねえよ。さて、どうするか……」
「バレット！」
「ティファ！　クラウドは？」
「みんな、こっち！」
「ええ!?　どうしたんだよ？　クラウドは？」
「話はあと！　いいから早く！」

「さて、どうするよ？」
「セフィロスは生きている。俺は……あのときの決着をつけなくてはならない」
「それが星を救うことになるんだな？」
「……おそらく、な」
「おっし、オレは行くぜ！」
「私も、行く。……知りたいことあるから」
「古代種のことか？」
「……いろいろ、たくさん」
「さらば、ミットガル、ね」

　エアリスのお袋さんには安全な場所に移るようにって言っといたから、マリンも安全だな。

　そうだな

　もうミッドガルは嫌だって言ってた。ちょうどよかったかな。

　さーて、どうかな

　やめてよ、クラウド！　わたしだって心配なんだから。

　旅が始まるのね。

　旅は嫌いか？

……どうかな。でも、もう帰るところないもの。旅が好きとか嫌いとか、関係ないわ。

　危険だぞ、いいのか？

……うーん、でもほら、クラウドが約束守ってくれれば大丈夫よね、きっと。

　そういえば、わたし、ミッドガル出るの初めて……。

　そうか……不安か？

ちょっと……うーん、かなり、かな。でも、なんでも屋さんがいっしょだし、ね？

　危険だぞ、いいのか？

言うと思った！

　私は故郷に帰るつもりだ。それまではいっしょに行ってやる。

「さて（もう少しここにいよう／行こうか）」
「ここから先、団体行動にはリーダーが必要だ。リーダーと言えばオレしかいねえ」
「そうかしら……」
「どう考えてもクラウド、よね」
「チッ……わかったよ。ここから北東に【カーム】って町があるんだ。なにかあったら、そこを集合場所にしよう。それにしたって、野っ原を五人でぞろぞろ歩くなんて危なくてしょうがねえ。おまえ、パーティをふた組に分けてみろ」

　ティファとエアリスをパーティに入れる
　やると思ったぜ。じゃあ、カームでな！

　バレットとレッド13をパーティに入れる
　……予想外の。
　……組みあわせ。まあ、男同士、楽しくやりなさい。それじゃあ、カームで！

　なにか忘れているような気がするな……おい、少しのあいだでいいから、そこにいてくれよ。

　おいおい、クラウドさんよう、このまま行くと、カームの街とは似ても似つかぬ場所に着くことになるぜ。
　ねえ、クラウド、カームの街はこの洞窟の手前にあるんじゃなかったかしら？
　……この洞窟を通り抜けても、カームの街には着かないぞ。

　おいおい、しっかりしてくれよ。天下のソルジャーさまが道案内ひとつできねえのか？
　カームの町はもっとミッドガル寄りの位置にあるはずよ。
　もう、クラウド！　道に迷っちゃったの？
　カームの街で落ちあうつもりなら、戻って探しなおすべきだな。

　ここがカームだ。
　ここがカームね。
　カームに着いたね。
　……カームに着いたな。

　おい、先に宿屋待ってるぜ！　チンタラせずに早く来いよ！
　宿屋でみんなが待ってるわ。行きましょう、クラウド。
　みんなもう着いてるかな。早く宿屋に行きましょ！

　とっとと来いよ。
　行きましょう、クラウド。
　じゃあ、先行ってるね。
　行こう、クラウド。

　あ、聞いてくれよ！　なにか面白いことないかなぁ……？

　神羅カンパニーが魔晄エネルギーを実用化してくれたおかげで、わしらの生活も便利になったもんじゃ。ちと便利になりすぎたかもしれんがの。
　空中に浮かぶ都市と言われるミッドガル。一度この目で見てみたいものだわ。この町の南にあるミスリルマインを抜けてさらに西へ行くと、ジュノンという神羅カンパニーの港があるの。そこにも魔晄炉があって、大きな建物がたくさん建っているそうよ。ああ、行ってみたいなあ。

　プレジデント神羅が殺されたそうだな。それに息子のルーファウス新社長も大怪我したっていうじゃないか。どうだ、初耳だろ？

　おっ、事情通

ふふふ……ここだけの話だが、神羅親子を襲ったのはアバラなんとかいう組織だって話だぜ。

　興味ないね

関心なしか？　旅をするなら、神羅カンパニーの動きには注目したほうがいいぜ。

　この世界は、神羅カンパニーの動きに振りまわされているのさ。あんたたちも、それを受け容れることだな。
　魔晄炉のある場所の土地はどんどん痩せていってしまうという話だ。この街みたいに魔晄エネルギーは供給してもらうだけってのが、いちばんいい方法なのさ。
　ぼくのお父さん、炭鉱夫なんだけど、ミスリルの鉱山にモンスターが出てきて仕事ができなくなっちゃったんだ。いまじゃ、酔っ払っているよ。

　俺はよぉ、この町の南にある鉱山ミスリルマインで働いていたんだ。しかしよぉ、その鉱山にモンスターがわんさか出るようになっちまってな。おかげで商売あがったり。ここで日がな一日飲んだくれてるのさ。ウィ〜、ひっく。俺は酔ってるぞぉ〜。
　ミッドガルではアバランチという反神羅組織が活動していたらしいが、ついに神羅のソルジャーによって全滅させられたそうだな。神羅カンパニーは自分たちに逆らう者たちをどんどん排除しようとしている。我々は好むと好まざるにかかわらず、神羅カンパニーの支配を受け容れなければならないのさ。
　ミッドガルじゃ、テロリストが魔晄炉を爆破したらしいぜ。最近、物騒なことが多いよな。やだやだ。

　魔晄エネルギーのおかげで生活がいろいろと便利になったわ。神羅さまさまよね。あなたもそう思うでしょ？

　そうかもしれない

そうでしょ！　もう魔晄エネルギーのない生活なんて考えられないわね。

　そんなことはない

ふーん。でも、魔晄エネルギーのない生活なんて、わたしは考えられないわね。

　魔晄エネルギーのおかげでいろいろ便利になったけど……でも、その代わりに動物や植物がどんどん減っているような気がするわ。わたしは昔のほうがよかったんじゃないかと思うの。ね、そうよね？

　そうかもしれない

そうでしょ？　そう思うわよね。

　そんなことはない

お母さんと同じことを言うのね。

　わたしは動物と遊べた頃のほうがよかったと思うわ。

　おまえたち、ミッドガルから来たんじゃと？　わしも以前ミッドガルに住んでいたじゃが、近ごろはあそこもいろいろあるようじゃな。

　怪しい黒マントの男がこの町にいたんだ！　物騒な刀なんか持ち歩いてさ。なんで誰も信じてくれないんだ〜！……孤独な僕。

　ぼく、大きくなったら神羅のソルジャーになるんだ！　そのために、いまからモウクンレンしてるんだ！　うりゃー！　コンジョウのトックン〜。うりゃ、うりゃ、うりゃー！
　お兄ちゃん、子どもっぽくて、わたし、恥ずかしい。

　モンスターっていうのは神羅が作ったって噂があるが、ほんとかねえ？（そのとおり／単なる噂）どっちにしたって、魔晄炉の世話になってる限り、神羅にゃ逆らえないんだけどね。
　今日も元気だ、ごはんがうまい……と。平和じゃのう。