FF7 MEMORIES

「よーし、時間だっ！　整列〜！」
「ルーファウス……さま、到着よ！」
「いざ本番！　ジュノン軍隊式お見送り〜！　軍人らしーく、元気よーく、さんはいっ！」

「ガハハハハ！　特別ボーナスだぞ、おまえら！　ルーファウス社長のご好意だ！　肝に命じとけ！」
「セフィロスがここに来たという噂が広まれば、クラウドたちも現われるはずだ」
「見つけ次第、捻りつぶします！」
「邪魔をされてはかなわんからな」
「おまかせください！　ガハハハハハ！」
「やめろと言ったはずだが……」
「ガハ……」
「よーし、解散！」

「危なかったな」
「ハイデッカーはイライラしてるからな」
「なんでも、本社の宝条が会社を辞めると言い残して行方不明になったらしいんだ」
「ハイデッカーはその捜索も任されたらしいからな」
「こらーっ！　解散だと言っとろうが〜！　後片づけが残っちょる！　はよせいよ！」

　おい、急げ。あと、おまえだけだ。
　どうやって来たんだ？
　イルカに乗せてもらった。おまえが柱を登ったあと、プリシラが思いついたんだ。悪く思うな。

「俺たちは新たな大陸に向け、海を渡る。神羅の軍服に包まれながら……」

　これだけ働いてるのに、まだ働けってのか？　新社長だってどうせ同じだろ。上からあれこれ命令するだけだ。
　俺を止めても無駄だぜ。よっしゃ、新社長にいいとこ見せたるぞ〜。
　こら、貴様もキリキリ働かんか。いま、この船にはルーファウス新社長と本部のハイデッカー統括が乗船されている！　うまくすれば昇進のチャンスだぞ！

　う〜、これだから……船はイヤなんだ。ちょっとクラウド、鎮静剤持ってない？

　ホラ、使えよ

ありがと……。うえ〜、苦い。［鎮静剤を持っていなかったとき：　チェッ、持ってないじゃないか。……用がないならむこう行っててよ］

　ないね

……用がないならむこうに行っててよ。

　ほかの連中？　さあ、そのへんに隠れてんじゃないの？　そんなのアタシが知ってるわけ……ウ……プ……。

「フフフ……わたし、エアリスよ。ね、クラウド、ジュノンで飛空艇、見た？」
「……噂には聞いていたけど、あれほど大きいとは思ってなかったな」

　すっごいよね〜。ね、わたし、あれに乗れるかな？

　いつか乗せてやるよ

　……期待しててくれ。
　うわ〜！　楽しみにしてるからね！　いっしょに乗ろうね、飛空艇。約束、約束！

　さあな

　……あれは神羅の兵器だ。破壊しておいたほうがよかったかもしれない。
　そっかあ。でも、一回でいいから乗りたいなあ。

　ハッ！　異常なしであります、ソルジャーどの！　なーんて。わかる？　ティファよ。どう、びっくりした？……でも、ほんとはね。こんな軍服嫌い。軍服も、兵隊も、戦争もみんなみんな嫌い。大切な人をみんなから奪ってしまうから……。早く、なくなるといいね。ね、クラウド？

　ああ……。

うん、そうだよね！　それでは、はりきって見張りを続けるであります！　ふふふ……。

　どうかな

クラウド、その服を着たら少し変わったみたい。気持ちまでソルジャーに戻っちゃったの……？　そんなの嫌だよ……。

　……私だ。レッド13だ。ちょっとフラフラするが、なに、ばれることはないだろう。人間というものは大抵、物事の外側しか見ないからな。この服を着るだけで、どこから見ても立派な人間だろう？　二本足で立つのも難しいものだな……。

　オウオウ！　どうした若いの！　元気がねえぞ！　海の男はガッツだ、ガッツ！［アナウンス後：　ん？　なんだおまえ？　この船のクルーじゃねえな？　まあいいか。海の男は細かいことを気にしねえのよ！　調子はどうだ、若いの！］

　疲れたんだ

そういうときはこいつ！【インビンシブルα】！　これ一本でビンビンよ！　250ギルだ！

　もらおうか

毎度！　こいつは船乗りに欠かせねえ品だぜ。船乗りだけに、これがほんとのマストアイテム！　ワッハッハッハ！［アナウンス後：　毎度！　こいつでガンガン突き進もうぜ。船の上だけに、これがほんとのシップーどとう！　ワッハッハッハ！］

　けっこうだ

オウオウ！　海の男がケチケチすんない！

　なにか物足りないんだ

オウオウ！　なにが足りないんだ？

　ほっといてくれ

　やれやれ、もう少しでコスタ・デル・ソルか……むこうに着いたら、久しぶりの休みだ。ビーチで身体を焼こうかな……。
　ルーファウス社長は船橋にいるらしい。サボってるとどやされるぜ。

「ね、クラウド、バレット見なかった？　無茶なこと、ひとりでしてなきゃいいけど……」

「見ろよ、クラウド。ルーファウスとハイデッカーだぜ。こんな近くにいるってのに、手が出せねえなんて……。ウヌヌ……グヌヌヌ……なんだあのヤロー……のんきにガハガハガハガハ笑いやがって……。あいつらのせいで、ビッグスは……ウェッジは……ジェシーは……！　ウヌヌ……グヌヌヌ……！　ガーッ！　我慢できねえぜ！　いっそのこと、ここで一気に片をつけ……」
「緊急連絡！　不審人物を発見の報告あり！　作業のない各員は艦内を調査。発見次第、通報のこと！　繰り返す。不審人物を発見の報告あり！　作業のない各員は艦内を調査。発見次第、通報のこと！」
「しまった、見つかったか？　いや、オレたちじゃねえようだ。となると……ティファたちか？　こうしちゃいられねえ。行こうぜ、クラウド！」

「みんな大丈夫？」
「大丈夫か？」
「あれ？」
「みんないる……わね」
「待てよおい、てことは不審人物ってのは、まさか……」
「セフィロス？」
「本当なの？」
「オレだってわからねえよ！」
「……確かめよう」
「それがもっとも論理的な行動だな。さて、誰が行く？」

　ア、アタシはいいよ、べつにセフィロスとかって興味ないし。それに……ウ……ウプ……。

「……セフィロスが……よし、行こう！」

　おう、オレも行くぜ！
　わたしも連れていって！
　ほんとにセフィロス……なの？
　この服は窮屈だ。できればそっちに加わりたい。
　だから、アタシはいいって……ウ……ウエ……。

　……機関室に……不審人物……いや……違う……あれ……人間じゃ……人間なんかじゃ……な……。

「セフィロス……なのか？　違う……セフィロスじゃない！」
「……長き眠りを経て……時は……時は……満ちた……」

　クラウド、見ろ！
　見て、クラウド！
　あそこだ、クラウド
　あ……あれ、あそこ！

「セフィロス！　生きていたんだな！」
「……誰だ」
「俺を忘れたっていうのか！　俺はクラウドだ！」
「クラウド……」
「セフィロス、なにを考えている！　なにをするつもりだ！」
「……時は……満ちた……」
「なに？　なにを言ってるんだ？　もっと……」

　こいつは……あれじゃねえのか？
　これ……どこかで見たわね。
　これ、見たことあるね……。
　これは、神羅ビルから消えた……。
　なんだよ、これ、気持ち悪い！

「……ジェノバだ。ジェノバの腕だ」

　ジェノバを……こんなものを持ち歩いているのか？
　ジェノバ……こんなものを持ち歩いているの？
　ジェノバ……こんなものといっしょに？
　セフィロスがジェノバを持ち出した……その意味は？
　ウェ……ただでさえ気持ち悪いのに、こんなもん見せられるなんて……。

「やっぱり、セフィロスだった……」

　時は満ちたとか言ってやがったぜ。
　時は満ちた、とか言ってたわね。
　時は満ちた……そんなこと言ってたね。
　時は満ちた……どういう意味だ？
　なんかぶつぶつ言ってたよ。時は満ちた、だってさ！

「時は……満ちた……？」

　ワケがわかんねえぜ！　クラウド、ちょっとここまでを整理してくれねえか？
　こんがらがってきちゃった……クラウド、いままでのところをまとめてみてよ。
　うーん……わからない。ねえ、クラウド、ちょっとまとめて、ね？
　フム……話はさほど単純ではなさそうだ。クラウド、このあたりで、いちど考えをまとめてみては？
　いったい、なにが、どーして、どれが、どうなってんの？　ちょっと、クラウド、アンタ、チョチョッと説明してよ。

　やってみる

　……やってみるから、途中で口を挟まないでくれよ。セフィロスはこの星の支配者になるために約束の地をめざすと言い残し、姿を消した……それが五年前だ。そのセフィロスが現われ、プレジデント神羅を殺した。俺たちは、たったいま、セフィロスと会った。そして、セフィロスはジェノバを持ち歩いている……これはわかる。あいつの目的は母なるジェノバとともに約束の地へ、だからな。……だいたい、そんなところだな。

　面倒くさい

『接岸作業員、コスタ・デル・ソル入港五分前。接岸準備を開始せよ』

　おおっと！　早いところ隠れたほうがよさそうだぜ。
　いけない、も一度身を隠しましょ。
　ずっとここにいるの、よくないんじゃない？
　これ以上ここにいるのは、賢いとは言えないな。
　ホッ……やっと着いた。早く隠れ……ウップ。

「生きていた……セフィロスが……約束の地……本当にあるのか？」