FF7 MEMORIES

　あっ、クラウド。
　あれ、見て！
　ん……？

　あいつは宝条……

　あの男、宝条か？
　ね、話つけてきてよ。

　水着の女の子か

　悪くないながめだな……。
　もう！　どこ見てんのよ！　あそこの男、宝条よ！　ふざけてないで、話しつけてきて！

やな予感、するね。

　へへ、全部取られちゃったよ。いま来た子で我慢すっか？
　でも、彼がいっしょじゃん。
　あんくらいなら大丈夫、ねえ、そだろ！

　ウヒ……あの二人組にするか？
　へへ……俺、左の子がいい！
　じゃ、俺は右で我慢するよ。

　あら、なにかご用？

　そこの男に用がある

（なによっ、偉そうに）ねえ、宝条博士〜。怖い人が用があるって〜。

　そこの男、宝条か？

（なんなの、この人）そうよう〜、博士なのよう〜、博士〜お客さんよう〜。

　いま忙しい。
　だって〜残念でした〜。
　いや、待ちたまえ。きみは、確か私の記憶にある……ああ、そうそう、思い出しましたよ。［両側の女の子に声をかけた：　クックック……わかったよ、騒々しいな、きみは］久しぶりだな、クラウドくん。
　宝条……。
　たまにはこういうのもいいものだね。
　……なにをしている。
　見てのとおりだ。日光浴。
　まじめに答えろ！
　ふん……私の目的は、きみと同じだと思うが。
　セフィロスか？
　きみたちは会えたのか？　そうか……ふむふむ。
　なんだ？
　いや、ちょっとした仮説を思いついたのだが……きみは、なにかに呼ばれているという感じがしたことはないかな？　または、どうしてもある場所へ行かなくてはならないという気持ちになるとか……。
　俺はセフィロスがいる場所なら、どこへでも行く！　あいつを斃すために！　決着をつけるためにな！
　なるほど……これはいけるかもしれないな。ソルジャーか……クックック……ん、私の実験サンプルにならんか？　ん……なんだ、剣でも抜くか？
　お、おいっ、こいつをやるのはまずいんじゃねえのか？
　やめて、クラウド、気持ちはわかるけど、ダメよ。
　クラウド、ダメっ！　この人、死んだらなにもわからなくなっちゃう！
　ゼェゼェ……やめろ、クラウド。
　ダメだよ、クラウド、アタシにはわからないけど、こいつ、いろいろ知ってるんだろ？
　クックック……おや、ときに、きみは古代種の娘ではないか。
　わたし、エアリス。名前くらい憶えなさいよ。ねえ、宝条博士、教えてほしいの。わたし、自分が古代種なのは知ってる。母さんに聞いたから。
　母さん？　ああ、イファルナか。元気にしてるのか？
　知らないの？　死んじゃったよ。
　……そうか。
　……ねえ、博士。ジェノバは古代種なの？　セフィロスは古代種なの？　わたしと同じ血、流れてるの？
　……ボソボソ……西へ……。
　ボソボソ作戦？　ってことは、なにか隠してる！
　………。
　ガルルル……！……ゼェハァ……。
　ねえ、答えなさいよ！
　……だめだ、無駄だよ。

　この暑さのなか、実験服を脱ぐことはない、知的な男のダンディズムよね〜。
　宝条先生だったら、喜んで実験台になっちゃう！
　宝条先生のボソボソを通訳するね。ここから西のコレルを越えて進んでる……わかったかしら？　わたし、よくわかんなーい。
　ウワー、たちけて〜！　ハァッ、ハァッ。息継ぎ忘れちゃうだろー！
　きみたちコレル山へ向かうなら、金の針を買っていくほうがいいよ。よく言うでしょう？　備えあれば憂いなし、獲らぬ狸の皮算用ってね。僕ってインテリ！

　そうそう、そんなことも、あったね〜。
　でさ、でさ！　そんとき……。
　ウフフフ
　イヒヒヒ……！
　やだ〜！　そうなの〜？
　そうそう、でね……。
　うんうん。

　クラウド……ごめん、今日はふたりきりにさせてね！　久しぶりだし、たまには息抜きもね。
　そういうことだから、悪く思うなよ。

　あんまり遅くならないようにするから。ね、心配しないで！

　心配なんて……

　べつに心配なんて……。
　そうなんだ……。

　ああ……

　明日には出発だからな。
　うん、わかった。

　フゥ……なんだか、疲れちゃったね。わからないこと、多くて……ちょっとだけ、不安なんだ。ね、クラウド？　わたしのこと、どう思ってる？

　わからないよ……

　どうもこうも、わからないよ。
　……そうだよね。わたしもね、わからないの。自分のこと。わたし、どのへんが古代種なの？　古代種ってどこがどうなるの？　変だよね。わからないよ……はぁ……堂々めぐり。こういうのって答え、あるのかな。難しいよね、いろいろ。先に休ませてね。

　べつに……

　悪いけど、そういうこと、考えたこともない。
　あたまっ、来ちゃうなあ！　そんなこと言えちゃうわけっ。もーう、相談したわたしが間違ってました。もういいですよ！

　毎度どうも！　どうします？　一泊200ギルになりますけど。

　休んでいくか

はい、お疲れさまでした。コスタ・デル・ソル地方の明日の天気はいつものとおり晴れとなっております。波音に抱かれて……いい夢を。おはようございます、道中お気をつけて。お連れのみなさんは先立たれましたよ。あっ……これは縁起でもないことを……正しくは、ひと足先に出発しましたという意味です。

　気が変わった

そうですかい。私、ここで遊んでますから、気が向いたらまたお越しください。

　やられました……雇ったばかりのバイトの女の子。店の売り上げと商品のマテリア持ってとんずらしちゃいましたよ。世のなかうまい話はないもんですなあ。ま、余りものでよかったら見てってください。

　ムニャムニャ……（ティファちゃん、絶対幸せになるんだぞう）。

　はあ……宝条先生。いまいずこ。先生、なにかを発見〜、解明〜、したみたいなの。で、それっきり……やっぱり、西のコレル山に向かったのかしら。ちょっと悔しかったな。宝条先生、なにかを発見したとき、子どもみたいに嬉しそうな顔でクックックッて笑って……あと追っかけちゃおうかな。コレルさんからゴールドソーサーへ、ふたりのバカンスｖ。
　ねえねえ？　昨日ルーファウス来たんでしょ。彼、昔はプレジデントのぼんぼんで〜。ついた渾名がプレジデントボンボン！　そこで遊んでるサーファーたちとたいして変わらなかったのよ。
　そうだっ！　忘れてたわ！　なーんかあなたに伝えなきゃいけないことがあったのよ。そうよ！　あれよ！　昨日のことなんだけど、海から黒マントの男があがってきたの。ザバザバってさあ。ゴールドソーサーのチケット持ってたような気がしてたけど……そんなわけないよね。あれって幻かなあ。

　ねえねえ……へへ……ちょっとは俺とも話してよ。
　うひゃ！　話しかけないで〜！　ウップ！　ブクブク……沈んじゃうよ〜。

　三十万ギル持っていない
　ふかふかベッド……ん〜、気持ちいい……ん〜、もうちょっとだけ……ハッ、いやはや、お客さんとは気づきませんで、恥ずかしいところをお見せしました。どうぞごゆっくりごらんください。ところで、お客さん、ほんとに買う気あるんですかい？

　なんのことだ

　ここはなにを売ってるんだ？
　いやですねえ、やっぱり冷やかしですか？　このお家ですよ、お家。元プレジデント神羅所有の別荘。最近売りに出ましてねえ。どうですか？　広い敷地に豪華家具＆ふかふかベッド、おまけに地下室までついちゃう。土地のみんなには神羅別荘と呼ばれてますよ。もちろん値は張りますがね。

　いくらだ？

おろ？　買う気ある、ビンボー人のくせに？　ま、社会勉強のため、値段だけは教えときましょ。はい、ぽっきり三十万ギルね。手が出せないでしょ。帰った、帰った！

　興味ないね

まあ、そうでしょう。ひきとめはしませんよ。どうです、立派なもんでしょう。別荘を持つ……その心地とステータス。いいもんですよ。ま、気長に待つことにしますよ。

　失礼する

まあ、そうでしょう。引き止めはしませんよ。どうです、立派なもんでしょう。別荘を持つ……その心地とステータス。いいもんですよ。ま、気長に待つことにしますよ。

　ん〜、ひやかしはやめてください。

　三十万ギル以上所持
　ん〜、ふかふか、気持ちいい。ん〜、奇蹟だ！　まさかほんとにお金を持ってるお客が訪ねてくるとは……なにもいいことないと思うますけど、ほんとに買いますかい？

　三十万ギル払う

ん〜、さようなら！　ぼくのふかふかベッド！

　気が変わった

ん〜、よかった〜。

　グーグー。ん〜、腰が痛い〜。ハッ。あっ、そのへんの品はサービスですから、ご自由にお持ちください。ハッ！　ども！　わし管理人です。どぞ、よろしく。では、失礼して……おやすみなさい。グーグー。

　俺の別荘だ。休んでいくか。

　ふぅーっ！　おっ！　あんたたちはちゃんと話しかけてくれるんだな。
　なんのことだ？
　少し前にすれ違った黒マントのやつがよ、人が親切にこの先は危険だって教えてやってんのに、無視しやがってよう。
　セフィロス……。
　ああ……。
　先を急ぎましょう。
　ここにも、黒マントね……。
　ふーむ……行く先々にねぇ……。
　ああ、かったりぃ！

　この先は危険だよ。道中、気をつけてな。旅先で会った見知らぬ旅人にあったかい声をかけて挨拶を交わす。ふう〜、旅の醍醐味ですなあ。

　あっ、クラウド！　ちょうどよかった！　この橋が繋がらないと先に進めないみたいなの。あそこの小屋にスイッチがあるらしいんだけど……モンスターが多くて疲れちゃったから……。
　ね、クラウド、ちょっと休もっ！

　クラウド！　クラウドがいてくれたらなあって思ってたところなの。この橋が動かないと先に進めないの。クラウドならなんとかしてくれるよね。でも、その前にちょっと休もっ。
　んっ……あんたたちか？　あそこの小屋に橋を動かす装置があるらしいのだがな……しばし休息というわけだ。

　そうだな……。（PHS／先を急ぐぞ！）
　ふぅ……。
　疲れちゃったね……。
　クラウドといっしょがよかったなっ！
　……なんだ？
　疲れたよっ！

　ひゅ〜！
　可愛いね！
　きゃっ、可愛いっ！
　はぅっ……はぅっ……。
　おおっ！　お宝！

　どうするか……。

　宝をもらっていくぞ

　世のなか厳しいからな……。お宝はいただく。
　ひゅ〜ひゅ〜！
　クラウドったら！　チョコボ頭のくせに！

　クラウド……。
　ゴッ……ゴクっ！
　いただきますっ！

　置いていってあげようか

　俺たちには関係ない。無視だな。
　ひゅ〜ひゅ〜！
　うん！　クラウド、えらいえらい。
　クラウド……。
　ゴッ……ゴクっ！
　ええ、まじ？

　おう！　よくこんなとこまで来たもんだな！　悪いけどよ、なにももてなしできねえぞ！　ああ、コレルっていやよう、昔は炭鉱で有名でよう！　仕事も腐るほどあったっていうぜ！　それがどうだい、いまじゃ見る影もねえ。俺もこのブルも動かねえよ。仕事がねえんじゃ、お天道さんに顔見せできねえ。こうして穴暮らしってわけよ。