FF7 MEMORIES

　き、貴様は……オーイ！　やつが戻ってきやがったぜ！
　ここで、待っててくれ……。

「ケッ！　また、バレットさまに会えるとは思ってもみなかったぜ！」
「フン！　また、どこかの町を追い出されてきたんだろう？　なにせ、貴様は死神だからな」［パーティ内にバレットがいた：　むこうにいるやつらは、てめえの連れなのか？　フン、気の毒に！　なにせ、バレットという死神に取り憑かれているんだからな］
「チッ、面白くねえ！　こんなデクノボウに構ってるとろくなことがねえな！」

　誰かさんのおかげで、北コレル村はこのありさまだ！
　邪魔しねえでくれよ！　この地に残された者はガラクタ漁りでしか食っていけねえんだ！
　なんでもいい、買ってちょうだい！
　生き抜いていくにはこの店の武器が必要だぜ。

　なにか用か。

　話を聞く

左の道を行けばロープウェイ乗場があるぜ！　ロープウェイに乗れば、ゴールドソーサーに行けるんだ。まっ、俺たち貧乏人には関係のない話だけどな。

　よぉ、都会のほうじゃ、数字の刺青を彫るのが流行ってるのかい？

　知らない

そうか……ロープウェイのほうに行った若造の手の甲に、大きな【１】が見えたんだ。黒マントのかっこいいやつだったぜ。

　そのとおり

じゃあ、俺なら【０】の刺青だな！　貧乏人には、【０】がお似合いだ。

　わーい、なにして遊ぶう？
　あいつらのせいよ……夫は、あの事故に巻きこまれて……あんなに強い人だったのに……。
　なにもかも失ったこの町で……どうやって生きていけばいいのやら……魔晄炉なんてくそくらえじゃ！

　こんなガラクタの町なんか捨ててよ、どこかで人生をやりなおしてえんだ。バギーカーでも持ってりゃ、南の砂漠を越えて川むこうの村に渡れるんだけどよ……。
　事故は防ぎようがなかったことはみんなわかっておるんじゃ。でも、誰かに責任を押しつけなければ気が収まらんかったのじゃよ。
　むこうの井戸のなかでなにかが光ってたんだよ。拾ったらお金に変えて、ゴールドソーサーに行くんだ！

　もうすぐ次の列車が来るぞ。
　じいちゃんはその昔、炭鉱列車の運転手だったの。そのときの癖がまだ抜けないみたい。

　な、流される!?……まずい。やれやれ……これじゃ歩いて渡れないな。ここはチョコボでも渡れないか……もっとパワーのある乗りものなら……？

「バレット、どうしたの？」
「すまねえな」
「なにがあったんだ？」
「このあたりにオレの故郷があった」
「あった、とは？」
「いまはもうない。砂の下に埋もれちまったらしい……たった四年で」
「だからって、どうして、さっきの人たち、あんなひどいこと言うの？」
「聞こえただろ……オレのせいでこの町は……壊れてしまったのさ……。オレのせいだからだ。全部、オレのせいなんだ。オレの故郷、コレルは古くからの炭鉱の村だった。埃っぽくで、のどかで、貧しくて……そんなちっぽけな村だった。【魔晄炉】という名を初めて耳にする、あのときまでは……」

「どうする？　反対しているのはダインだけだが……」
「俺は絶対反対だ。コレルの炭鉱を捨てるなんてできない相談だからな！　コレルの炭鉱は俺たちの祖父さんたち、親父たちが命がけで守ってきたものだ。俺たちの時代になって捨てることなんてできない！」
「でもよ、ダイン。いまの時代、石炭なんて誰も使わない。時代には逆らえないんだ」
「そう、時代は魔晄エネルギー。大丈夫ですよ、ダインさん。魔晄炉完成のあかつきには、我々神羅カンパニーがみなさんの生活を保障します」
「な、ダイン。オレは女房のミーナにこれ以上苦しい生活をさせたくないんだ」
「そんなの、俺だって同じなんだ！　でも、それでも俺には炭鉱を捨てるなんてできないんだよ！」
「ダイン……わかってくれ」

「こうしてコレル魔晄炉は建設され……完成した。オレたちは豊かな生活を夢見ていた。しかし……オレとダインが村を離れているほんのわずかな時間の出来事だった。コレル村は神羅の軍によって焼き払われてしまったんだ。大勢の村人たちも……オレたちの家族も……みんな……いっしょに……」
「神羅の軍？　いったい、なんのため？」
「魔晄炉で爆発事故が起こったんだ。神羅はその事故の責任をコレル村のオレたちに押しつけた。反対派の仕業だと言ってな」
「ひどいっ！」
「ああ、確かにな。でもよ、オレは神羅以上に自分を許せなかったんだ。オレさえ魔晄炉に賛成しなければ……」
「自分を責めちゃだめよ。その頃はみんな神羅の甘い言葉に踊らされていたんだから」
「だからよ、だからこそ、オレは自分に腹が立つんだ！　甘い言葉に乗せられたあげく女房を……ミーナを失い……」

　オーイ、あんたら、ゴールドソーサーに行くなら早く乗ってくれ。料金は必要ないからね！

　乗る

　乗ろうぜ。
　ダインは親友だったぜ。ガキのころからのよう……。
　わたし、知らなかったわ。バレット、なにも言わなかったから……。
　………。
　………。
　アタシはバレットに同情なんてしないよ！　神羅を信じたのが悪いのさ。
　……早く乗らなきゃ！

　乗らない

　全部、オレのせいなんだ……。
　神羅のやることはみんな不幸にしてしまうのね……。
　………。
　アタシは先に乗ってるよ。

　ロープウェイは【ゴールドソーサー】行きだ。料金はただだから、心配いらんよ。

　お客さま、こちらでチケットをお買いください。ようこそ、ゴールドソーサーへ。団体さまですね？　入園チケットは一回3000ギルです。何回でも入園できるゴールドチケットは30000ギルになります。

　3000ギル払う

ありがとうございます。チケットはいちどゴールドソーサーから出ますと無効になりますので、お気をつけてください。

　30000ギル払う

ありがとうございます。ゴールドチケットは、お客さまがおなくしにならない限り、何度でも入場できます。

　払わない

「ここゴールドソーサーでは、料金を【GP】でお支払いいただくものが多数あります。【GP】はゴールドソーサーでのみ使うことのできるお金だと思っていただければ結構です。GPはワンダースクェアの各種ゲームとチョコボレース場でのみお求めいただけます。それと、GPの個人の所有は10000までとなっておりますのでお気をつけてください。どうぞ、心ゆくまでお楽しみください」

「うわ〜！　楽しまなくっちゃ！　そんな場合じゃないのはわかってるけど、ね。ね、バレットも元気出して！」
「……そんな気分にはなれねえ。オレのことは放っておいてくれ」
「そーお？　仕方ないね。行こっ！」
（エアリス！　ちょっとひどいんじゃない？）
（こういうとき、変に気を使わないほうがいいよ）
（そうかな……）
「大丈夫よ！　わたしたち、遊んでくるね」
「勝手にしろ！　ちゃらちゃらしやがってよ！　オレたちはセフィロスを追ってるんだぞ！　それを忘れるんじゃねえ！」
「……怒っちゃった」
「あ、でも、大丈夫みたい。なんだか、いつものバレット。少し元気出たみたい」

　セフィロスが来てるかもしれないから、気をつけなくちゃね。
　いろーんなこと忘れて、楽しめるといいね。
　……私と行くのか？
　アタシと!?

　クラウド！　いっしょに行くわ。
　クラウド！　ひとりで行かないで、わたしと行きましょ！
　クラウド！　ひとりではなんだろう……。
　クラウド！　アタシといっしょに行こうよ！

　ちょっとクラウド、わたしたちだけで戻るの？
　わたしたちだけ、戻るの？
　みんなを置いて戻るの？