FF7 MEMORIES

「！　ん!?　死んでる……」

　えっ!?　ちょ、ちょっと、クラウド！」
　え!?　どうして？　クラウド!?　どこ、行くの？
　いったい……おい、クラウド！
　な、なんで？　あ、アタシを置いていくな！

「セフィロスがやったのか？　これは……違う……銃で撃たれている……セフィロスは銃など使わない……」
「うう……」
「おい、なにがあったんだ！」
「う……う……片腕が銃の男……」

　片腕が銃!?
　ま、まさか？
　あいつが？
　へえ！　やるう！

「そこまでだ！　おとなしくしろ！　おまえらがやったのか？」
「ち、ちがう、俺たちじゃない！」
「私の見込み違いというわけか……」
「はよ逃げな、やばいで」
「お、おい！」
「捕まえろ！」

「ここまでだな」
「待て、話を……」
「クラウドさん……」

「あとひとりだな」
「はい」
「おい！　少しはこっちの話を聞け！」
「聞くことはない。下で罪を償うのだ！　やれ！」
「はい」

　クラウド、大丈夫？
　だいじょぶ？
　大丈夫か？
　おい、大丈夫？

「ここは？」
「砂漠の監獄……コレルプリズンやな」
「砂漠の監獄？」
「そや、砂漠の流砂にかこまれた自然の監獄や。一度入ったら、出ることはかなわんって聞いてます……けど、確か、なんか特例があったような……」

　バレット!?
　あっ、バレット！
　ん？　あれはバレットではないのか？
　あれ、あいつバレットじゃないのか？

「バレット……あんた、まさか本当に……。
「来るな！　これはオレの……オレが片をつけなくちゃならねえことなんだ。ほっといてくれ……」
「ヒョーッ！　あの人も、みなさんのお知りあい？　なんや、危なそうな人やなぁ〜」

　そんな……バレット……。
　クラウド、どうしよう？　バレット、いつもと違うよ。
　バレット……。
　おい、クラウド、あんなやつほっとこうよ。むこうもああ言ってんだ。ここでおさらばしよ、な？

　これも銃で撃たれた跡だ……。

　ひゃ、はっはっは！　ようこそコレルプリズンへ。おっと、こっから先はボスの許可がなければダメだ。

　からっぽ……。

　へっへっへ。
　新入りさん、ひとつ教えておいてやるぜ。ここの砂漠はチョー危険だぜ。入るときはすんなり人を招き入れるが、外に出ようとすると、砂漠がそれを拒むんだよ。けどな、逆に招かれざる客も拒まれて入ってこれねえなんて話も聞くな。ま、砂漠なんて入らねえのがいちばんだな。
　そこのやつらは嘘しか言わねえんだ。嘘だけで、本当のことはなにひとつ言わねえよ。何回か話を聞いてみな。呆れてくるぜ。

　ここは天国だぜ。
　片腕が銃の男？　知らねえぜ。
　ボスに会いてえ？　南西にずーっと向かえば会えるんじゃねえか？
　砂漠に出たら、ずっと止まってるんだ。歩いちゃいけねえ。
　いつか不思議なチョコボ車に会えるなんてことは、ぜってえ、ねえ。

　このエレベーターに乗りゃあ上に行けるんだぜえ。けど、これに乗れるのは、チョコボレーサーに選ばれたやつだけなんだぜえ。

　チョコボレースに出たいのか？

　興味ないね

　一生ここで暮らす気か？　せいぜい長生きするんだな。

　ぜひ、出たい

　それならよ、許可をとってこいよ。ここのボスのさ。
　ボスは誰だ？
　あーらら！　知らないの？　ダメだな、こりゃ。

　新入りか？　じゃあ、買っていけ。ああ……そういうルールだ。

　ここでひと眠りできそうだ。（寝る／寝ない）

　新入りか？　なら、コーツさまに挨拶をしておくんだな。

　また挨拶か？　いい心がけだ、入んな。

　見ねえ顔だな。ん？　上へ行きてえのか？

　興味ないね

ヘッヘッヘッ！　いい心がけだ。

　行きたい

おめえ、ここがわかってねえな。ここはゴールドソサーのゴミ捨て場。てめえらもクズなんだよ。シャバへ戻りてえんなら、チョコボレースで優勝するしかねえ。だがな、てめえらみたいな新顔がすぐ出られるほど甘かねえよ。ま、ボスの許可でも取れたら別だがな。取れるわきゃあねえか？　はははっははっ。

「来るなと言ったじゃねえか！」
「ちょ、ちょっとタンマ！　話、しましょ！　な、話せばわかるって！」
「おまえたちを巻きこみたくなかった……」
「それ、クラウドのセリフ！　『危険だ、巻きこむわけにはいかない』とかなんとか、ね」
「そうそう、それにわたしたち、もう思いっきり巻きこまれちゃってるんだから」
「上でバレット見つけて、慌ててここまで来たの。バレット、ちゃんと説明して」
「おまえたち……」
「闘技場の事件は片腕が銃の男の仕業だと聞いた。……あんたか？」
「もうひとりいるんだ……片腕に銃を持つ男。四年前、あの日から……あの日……建設中の魔晄炉を見物に行った帰り道だった……」

「バレット！　ダイン！　大変だ！　村が襲われた！　神羅の兵だ！」
「なにっ！　なんてこった……」
「おい、バレット！　まだ終わっちゃいねえ！　みんなが待ってる！　俺たちの村へ帰るぞ！」
「バレット、ダイン、村を頼んだぞ！」
「チッ！　おやっさん！」
「おい、バレット！　急ぐんだ！」
「クッ……！」
「バレット！　ここはこらえろ！」
「キャハハハハハハ！　へたな鉄砲はいくら撃っても当たんないんだよ！」
「うるせえ！」
「キャハハハハハハ！　ほら、遊んでないで援護しな！」
「危ねえ！」

「ダイン！　放すんじゃねえぞ！　いいか、村へ帰るんろ！」
「ああ……放すわけはねえ……俺たちの村に帰るんだ……みんなが待ってる……エレノアが……マリンが……俺たちの帰りを……」

「オレの右腕はもう使いものにならなかった……しばらく悩んだけどよ。オレは右腕を捨て、この銃を手に入れた。オレからすべてを奪っていった神羅に復讐するための新しい右腕……そのとき医者から聞いたのさ。オレと同じ手術を望んだ男がもうひとりいるってことをな。ただし、そいつは左腕が銃になっている」
「………」
「でも……それならダインもあなたと同じ、でしょ？」
「そうよね。神羅に騙されたんだもの。きっといっしょに神羅と戦ってくれるわ」
「……わからねえ。わからねえが、オレはダインに謝らなくちゃ気がすまねえ。だからよ、ひとりで行かせてくれ」
「好きにすればいい、と、言いたいところだが、だめだな。ここであんたに死なれると、夢見が悪そうだ」
「バレット、ここで終わりじゃないよ」
「星を救うんでしょ？」
「へっ！　ティファ、もうわかっただろ？　星を救うなんてカッコつけてるが、オレは神羅に復讐したいだけなんだ。自分の気がすむようにしたいだけなんだよ！」
「……いいじゃない、べつに。わたしだって似たようなものだわ」
「わかりやすいよ、そのほうが。バレットらしいもん」
「というわけだ、バレット」

　気をつけてね。
　ダインさん、仲間になってくれるかな？
　ん？　私も行こうか？
　金にもならないのに、物好きなやつらだねえ。
　ええ占いでてますわ。なんもかんもバッチリですわ！

　今日のボスは機嫌が悪いや……いや、ありゃあ機嫌がいいのか？　砂漠に迷いこんじまったら、ひたすら北東に進むんだな。運がよければ戻ってこられるぜ。