FF7 MEMORIES

　お、おまえたち!?　なんでこんなところへ……そ、そんなことどうでもいいわ。わたしたちタークスに会ったのが運の尽き、さあ、覚悟しなさい！
　……イリーナ、うるさいぞ、と。
　せ、先輩!?
　俺たちがこんな田舎に来てるのは、なんのためだ？
　そ、それは、休暇を取って、日ごろの疲れを癒すため……です。
　せっかくの休暇が潰れちまうぞ、と。
　で、でも……。
　……せっかくの酒もまずくなる。
　……はい……。

　もっと飲めよ、ルード、と。おまえと組んでもう何年になる……？　タークスの仕事はつらいこともあるけど、ま、俺はやってきてよかったと思ってるぜ。おまえみたいな変なやつにも出会えたぞ、と。
　タークスに……レノに……乾杯。
　ふん、運がよかったわね。さっさと消えなさい！　この次に会ったときは容赦しないからね！

　はいはい、いらっしゃい。お客さんも旅の人だね？　ゆっくりしてっておくれナ。いまのウータイは旅の人が観光に来てくれるおかげでもってるようなものだからナ。
　ウーイ、旅の人、知ってるかい？　このウータイには昔、水神さまがいたんだナ。そりゃあでっけえ蛇みてえな神さまだったって話だ。いまは魔晄の世のなかだ。そんなもん信じる人間も少なくなったけどナ。でも、このウータイや世界のどこかにはまだあるらしいんだナ。水神さまのウロコだとか、水神さまの力を封じたマテリアとかがさ。

　なに、ユフィとな……それならゴドーさまに訊くのがいちばんだナ。なにせ……いや、しかし、いまのゴドーさまには……とはいっても……しかし、あれではナ……どういうわけか、ユフィは昔からマテリアが好きでナ。いつでもマテリアのありそうな場所をうろうろしてるよ。

　あそこに見える五重の塔はウータイ五強聖の塔。五強の塔と呼ばれています。五強聖とは、力、速、魔、武、そしてすべてを兼ね備えた総の五人を意味します。そして、ここウータイでは、古くからダチャオさまと水神さまが祀られています。古来よりこのウータイは五強聖とダチャオ像、水神さまにより守られてきたと言われているのです。しかし、この前の戦ではそれもかなわず……やはり伝説は伝説にすぎなかったのかもしれません。

　待たれいっ！　それがしたち、ウータイの者ではござらぬな？

　はい

ウータイの者でなければ、この塔に入ることまかりならんッ！　お引き取りいただこう。

　いいえ

ええい！　正体を偽るとは不届き千万！　即刻この塔から出ていかれよ！

　グガー、なにか用かな？　なにもンガーないが、旅の疲れを癒すことぐらいはグーできるだろう。ゆっくりしていきなさい。……ユフィ？……知らぬな、そんな名は。グーゴー。……くどいな。知らぬものは知らぬ。知らぬといったら知らぬ！　ユフィなどという者は、このウータイにはおらん！……見かけない顔だな……このところ、この近くで神羅の兵をよく見かけるが……おぬしたちと関係があるのか。おぬしたちが何者か、そんなことに興味はない。ただ、神羅と揉め事を起こそうというのなら、早々に出ていってくれ。神羅に睨まれたくはないのでな……。
　なんだい、この意気地なし！
　ユフィ……！
　そんなに神羅が怖いの？　だったら、ほかの町みたいにさっさと神羅に従ったらいいじゃないか！　そこにいる連中のほうが、神羅とまともに戦ってるよ！
　う、うるさい！　お前のようなやつになにがわかる！
　いちど戦に負けたら、それっきり？　強いウータイはどうしたのさ！
　これはおまえのような子どもが口を出す問題ではない！　まだそんな格好をしおって！　恥ずかしくないのか！
　アタシのセンスだもん。そんなの勝手だろ！　人のポリシーに口出さないでよ！
　セ、センス……？　ポリーシー……？　そんな横文字まで使いおって！　この……この不良娘が！
　フンだ、このグータラ親父！

　……やはり、早々にここから出ていってくれ。ウータイを守るには、神羅に逆らうわけにはいかないのだ。

　喧嘩ばかりしとるが、あれでゴドーさまとユフィはじつによく似てるんだ。やはり親子なのかな……。
　そういえば、ここのマテリア屋さんのなかで、なんだかゴトゴト音がしてたけど。

　ごめんなさいね。表にはマテリアなんて書いてあるけど、いまウータイにはマテリアなんてほとんどないの。ほら、ここは田舎だし、それに神羅カンパニーともあまり、ね……マテリアがいっぱいあればウータイももっと賑やかになると思うんだけど……。

　待てよ、ユフィのやつ、まだこの町のなかにいるはずだぜ。それでも行くのか？
　ユフィなら、この町のなかに隠れてるはずよ。いいの？
　あのコ、ここから出てないと思うけど……いいの？
　ユフィ、この町から出てないよ、きっと！　行っちゃうの？
　ユフィなら、この町から出てはいないと思うが……それでも行くのか？
　オイオイ、あのガキ、ほっぽってくのか？　絶対、まだこの町にいるぜ！

　ユフィですか？　さっき見かけましたよ。このあたりの家にいるんじゃないかしら……？
　ユフィのやつあの性格だからナ。ときどき、人の家なんかに勝手にあがりこんだりするんだよ。そんでもって、物陰に隠れたりなんかして……まだまだ子どもなんだナ。

　おじじ、大変！　また、変な人たちが来ちゃった！　ううん、さっき来た人とは違うの！　でもこの人たちも変なカッコ！
　おーおー……久しぶりじゃな。いままでなにしとったんじゃ。えーと、誰だっけ？
　違うの、おじじ！　全然知らない人よ！　知らない人が勝手にあがりこんでるの！　どうしよう、おじじ！　さっき変なカッコしたお姉ちゃんがいきなり入ってきたと思ったら、あそこの……。

　おーおー、賑やかなことじゃ。孫のお友達かな？
　違うの、おじじ！　すっごく怪しい人たちよ！　どたばた走りまわってるの！

　そういえば、さっきからユフィみたいな子を見かけるな……どっか隅っこのほうで、またゴソゴソなにかしてるんじゃないかナ。

　もう逃げられないぞ、ユフィ。
　諦めなさい、ユフィ。
　てめえの負けだぜ、ユフィ。

　わ、わかったよ……アンタたちの勝ちだ。マテリアは全部返すよ……。

　おお、やはり休暇でこちらに来ているという情報は本当だったか！　ついにやつを発見したのだ！　タークスにも協力を頼みたい！
　……やなこった、と。
　い、いまなんと……？
　俺達は休暇中につき、あんたらのお守りはできないぞ、と。
　き、きみたちが休暇中なのは我々も知っている。しかし……。
　知ってるなら消えてくれ、と。あんたらのカッコを見てると酔いが醒めちまう。
　しかし、やつを捜せという指令が、本社からきみたちにも出されているはず……！　ええい、もういい！　タークスの力など借りなくても、やつを捕まえてみせる！　このことは本社に報告しておくからな！
　レノ先輩！　本当にそれでいいんですか？　これがプロフェッショナルのタークスなんですか？
　イリーナ、勘違いするなよ、と。仕事のためにすべてを犠牲にするのがプロじゃない。そんなのはただの仕事馬鹿だ、と。
　ルード先輩……。
　………。
　わたしにはわかりません！……失礼します！
　………。
　放っておけよ。子どもじゃないんだ、好きにさせるさ、と……。

　わかってるよ、マテリアだろ？　ちゃんとしまってあるよ。……こっち来て。

『かめ道楽通信ナンバー６：　かめ道楽で飲まずして、ウータイを語るなかれ！　居酒屋【かめ道楽】はでっかい壷が目印です！』

　……小さい頃から聞かされてた。アタシが生まれる前のウータイはもっと賑やかで、もっと強かったって……見たでしょ、いまのウータイを。これじゃただの観光地だよ……。戦に負けて、平和を手に入れて、でも、それといっしょに、なにかをなくしちゃったんだ。いまのウータイは……だから、アタシは……マテリアがいっぱいあればきっと……だから、だから……。
　悪いがユフィ。ウータイの歴史にも、おまえの感情にも興味はない。俺たちに重要なのは、いま俺たちのマテリアをおまえが持っているということだ。マテリアさえ返してくれれば、それ以上、おまえを責めるようなことはしない。
　ごめんなさいね、ユフィ。あなたの気持ちはわかるけど、わたしたちにもマテリアが必要なの。……このままあなたにあげてしまうことはできないのよ。わかってちょうだい。
　……ケッ、ユフィよ。おめえの身の上話を聞いてる暇はこっちにゃねえよ。マテリアが欲しかったら、てめえの力で手に入れな。それがスジってもんだ。

　わかってる。そんなのアタシだってわかってるよ……そこにヒック……スイッチ……左のレバー……マテリア、ヒック……隠して……。
　ま、仕方ねえよな……。
　さあ、マテリアを……。
　可哀相、だけど……。
　ちょっと言いすぎたかな……。
　まあ、まずはマテリア、返してもらいましょ。
　やむをえないな。
　ケッ……オレ様は知らねえよ。

　左のレバーを下げてみる

ハッハッハーッ！　そう簡単に人を信用するなってこと！　マテリアはアタシのもの！　残念でした！

　右のレバーを下げてみる

ハッハッハーッ！　人の言うことは聞いとけってこと！　マテリアはアタシのもの！　残念でした！

　マテリア取り返したかったら、自分たちで探してみれば？　そう、マテリアを見つけるにはカネにものを言わせなきゃ。エヘヘ……カネだよ、カネ。わっかるー？　じゃーねー。

　お、おい、助けてくれよ！
　ね、置いてかないで！
　先にオイラたちを助けてよ〜！
　先にこっちを助けて〜な〜。
　待て、ひとりで追うな！
　おい、オレ様を助けるのが先だろうが！

　なんだか、お客さんたちが来てから、騒々しいナ。なにかあったのかい？。［すべてのかめ通信を調べていた：　お！　あなた、このかめ道楽のチラシを六枚すべて見つけられましたね！　なんとすばらしい！　それではお約束どおり、ささやかな景品を！　これからも【かめ道楽】をよろしくお願いします！］