FF7 MEMORIES

　放せよ！　放せってば！　ちょっと、イタ、イタタタタ！　こら、アタシを誰だと……あーっ！　なにすんだよー！
　おまえは……！
　あっ！　あなたは……！
　なんだ、てめえは!?

　……ほ……ほ……ほひ、ほひ！　ほひひ〜！
　コルネオ!?
　ドン・コルネオ!?
　てめえ、なにしやがる！

　ほひー！　やっと新しい女子が手に入ったぞ〜！　一度にふたりも！　ほひーほひー！
　ふたり!?

　こ……こら、放しなさい！　あとで後悔するわよ！
　ほひ、ほひ！　ほひひーー！

　いたぞ、やつだ！　コルネオだ！　絶対に逃がすな！　突撃―――ッ！

　フン、コルネオのやつ、相変わらず逃げ足だけはたいしたものだ、と。
　……イリーナ。
　行こうぜ、ルード。タークスの仕事、やつにじっくり見せてやろう……と、言いたいところだが、イリーナがむこうの手に渡ったとなると、ちょっと厄介だぞ、と。そこで……と。
　……いいだろう。こちらもユフィをコルネオに攫われた。ユフィがいないとマテリアを取り戻せない。
　……わかったわ。わたしたちユフィをコルネオに攫われたの。あの子がいないと、マテリア取り戻せないもの。
　……ケッ、仕方ねえか。こっちもユフィのやつをあの野郎に持ってかれちまったからな。あのガキがいねえと、マテリアを取り戻せねえってこった。

　勘違いするなよ、と。おまえらと手を組む気などない。ただ、たがいの邪魔はしない。それだけのことだぞ、と。
　結構だ。俺たちもタークスと協力するつもりはさらさらない。ところで、コルネオはいったい、どこへ逃げたんだ？
　ええ、わたしたちもそのつもり。タークスと仲よく握手なんて遠慮しておくわ。ところで、コルネオはいったい、どこへ逃げたのかしら？
　あったりめえじゃねえか！　タークスと手を組むなんざ、こっちから願い下げでえ。にしてもよ、あの野郎、どこへ逃げやがった？

　フン、あの性格だ。だいたい想像つくぞ。ここらでいちばん目立つのは……と。

　そうそう、たったいま、女の子がふたり、ダチャオ像のほうへ行ったが、あれがいまの流行りなのかな？　ロープでぐるぐる巻かれて抱えられてったよ。そういや、ひとりはユフィに似ていたナ……。
　ハイハイ、ハーイ！　ハデハデなカッコしたおじさんがダチャオ像のほうに走っていったよ！　なんかホヒホヒ言ってたけど、すんごく速いんだ！　びっくりしたよ！

　やっと来たな。俺たちはふた手に分かれるぞ、と。おまえたちは勝手に行動しろ。ただし、イリーナに危害は加えるなよ、と。心配するな、俺たちも、ユフィとかいう小娘にはなにもしやしない、と。いまのところはな、と。

　………。
　チンタラやってる暇はねえ、敵さんは待ってくれやしないぜ、と。おまえたちもここがくさいと思ったか。あいにく大ハズレ、と。そんなに遠くへは行けないはずだぞ、と。

　うわっ！　これは無理だな。この炎じゃ、あっというまに黒焦げだ。
　キャァッ！　とてもじゃないけど進めないわ。
　うあっちい！　風呂は熱いに限るが、こいつはちいとばかり熱すぎんぜ！

　は〜な〜せ〜よ〜！
　ほひー！　いいのー、いいのー！　新たな趣味になりそーじゃの〜！　どっちのおなごにしようかな？　ほひーほひー！　この子にしようかな〜？
　あ、あんた、わたしはタークスよ！　こんなことをしてすむと思ってるの？
　それともこの子かな〜？
　あーっ！　こんなことなら、縄抜けの修行、マジにやっとくんだったよー！
　ほひー！　決めた決〜めた！　今夜の相手は……この元気そうなおなごだ！
　ゲゲッ！　ざけんなジジイ〜！　マテリアも持ってないくせによ！
　その拒む仕種がういの〜。うぶいの〜。
　そこまでだ！
　待ちなさい！
　おうおうおう、そのへんにしときな！

　ほひ〜、なんだ、なんだ！　何者だ！
　ゲッ！　クラウド……！
［ティファ：　ゲッ、ティファ……］
［シド：　ゲッ、シドのオヤジ……！］
　ほひひ、久しぶりだな。
［シド：　ほひひ、なんだ、おまえたちは？］
　忘れたとは言わせないぞ。
　この、ミッドガルのハイエナ野郎……！
　痛かったんだから！　あの落とし穴……！
　懲りない人ね、こんなマネして……！
　早くふたりを放せ！
　おっさん、女にもてたいんやったら、やりかたちゅうもんがあるやろ。
　どうでもいいが、やりかたがスマートではないな……。
　てめーみてえなゲス野郎、神さんが許しても、このオレ様が許さねえ！

　だまらっしゃーい！　あれから俺がどんなに苦労したか、おまえらにはわかるまい……。そう、話せば長くなるけれど……。
　興味ないね！　ユフィたちを返せ！
　話さなくていーの！　早くふたりをおろしなさい！
　んなこたどーでもいーんだよ！　ネエちゃんたちを返してもらうぜ。腕ずくでもな！

　ほひ……おまえら……本気だな。……えらい、えらい……俺もふざけてる場合じゃねえな。あのときは俺の可愛いアプスをよくもやってくれたな……これ以上、俺の花嫁探しの邪魔をさせんためにも、俺の新しいペットと遊んでもらうぜ！　ラプス、カムヒア！

　ちょ……ちょっと待った！
　黙れ！
　さあ、観念しなさい！
　往生ぎわがわりーぜ！　とっつぁん！

　すぐ終わるから聞いてくれ。俺たちみたいな悪党がこうやってプライドを捨ててまで命乞いするのはどんなときだと思う？

　死を覚悟したとき

ほひ〜、はっずれ〜。

　勝利を確信したとき

ほひ〜、あったり〜。

　なにがなんだかわからないとき

ほひ〜、おっし〜！

　キャアーッ！
　あ、頭に血がのぼる〜！
　このスイッチを押すと、このまま下にまっ逆さま……潰れたトマトのできあがり！
　クッ……！
　きったねえ手使いやがって……！
　卑怯よ！
　わ、わかった……。
　グルル……！
　えぐいことすんの〜！
　……！
　このクサレ外道が！

　では、そっちのおなごも渡してもらおうか！　ほっひっひっひ！　最後に笑うのは俺だったな！
　いや、俺たちだ、と。
　ほひー、なんだ、なんだ！　何者だ！　た、タークス！
　おまえが秘密を洩らしたときから決まっていたのだ、俺たちの手で葬り去られるとな、と。
　え、ええーい！　こうなれば、道連れだ！　グワッ……！
　いいタイミングだぜ、ルード、と。
　……仕事だ。
　さーて、コルネオさんよ。すぐ終わるから聞いてくれ、と。俺たちがやつらと組んでまで貴様を追いつめるのはなぜだと思う……？、と。
１、死を覚悟したとき。
２、勝利を確信しているとき。
３、なにがなんだかわからないとき。
　２……２番ですか？
　どれも不正解、と。
　や！　やめ……！　ほひいいいいいい……。

　正解は、と。
　……仕事だからだ。
　あ、ありがとうございます、先輩……！　まさか、助けに来てくれるなんて……。
　イリーナ、甘えるなよ、と。おまえもタークスの一員なんだぜ、と。
　は……はい！
　おまえらに救われるとはな……。
　あ、ありがとう……。
　ありがと、助かっちゃった。
　助かった……と言っておくよ。
　あんたたちもええとこあるやないか。
　礼を言わねばならないのか……。
　とにかく、今日んところは礼を言うぜ。

　………。

　はい……レノです、と。はい……はい……ただちに、かかります、と。
　か、会社からですか？　先輩……。
　そう、クラウドたちを捜せとな、と……。
　仕事か……？
　いや、今日は非番だ、と。
　どーでもいーけど、お〜ろ〜し〜て〜ッ！

　フー、これでばっちり。マテリアはもとどおり！
　おい……マテリアのつけかたがめちゃくちゃだ。
　ちょっと、なんこれ。マテリアのつけかたがめちゃくちゃじゃない。

　あん？　いいの、いいの。細かいこといちいち気にしない！　いや〜、それにしても危ないところだったよね〜。ううん、いつものアタシならあんなやつら、バシバシバシッ！　と片づけちゃうんだけどさ。ほんと、あのコルネオっての、とんでもないやつだね。あれならアタシの親父のほうがずっとましだよ。そうそう、そう言えば、あのタークスの連中、結構いいところあるよね。ま、なにはともあれ、マテリアは無事に戻ってきたし。さ、張り切ってみんなで旅を続け……って、ちょっと！　ま、待ってよ！　わ、わかったよ、ほら、これもアンタたちにあげちゃう！　ほら、見て見て！　ジャジャーン！　【ＭＰ吸収】のマテリアを手に入れたー！………。あーもう、待ってよ〜！　誰がなんと言おうと、アタシはあんたたちについてくからね〜！……そんでもって、次こそ必ず……。

　マテリアも人の生ももとは同じ。いずれ命の大海へともどるべきものなのです。