FF7 MEMORIES

「なまあたたかい……やばいな……」
「クラウド……後ろ」

　お待ちどうさん！　ケット・シーです〜！

「あとのことは任せてもらいましょ！　ほんな、みなさん、お元気で！」
「ケット・シー……ほら、クラウド……なにか言ってあげなきゃ」
「……苦手なんだ」
「ん〜、ようわかりますわ〜。ボクも同じような気持ちですわ」
「そうだ！　ねえ、占ってよ」
「そうやな〜、それも久しぶりですねえ。わくわくしますなあ〜。当たるも〜ケット・シー。当たらぬも〜ケット・シー。ほんな、なに占いましょ？」
「そうねえ……クラウドとわたしの相性！」
「そりゃ、高うつくで。デート一回やね！　ほんな、やりまっせ！　こりゃあかんわ。ちょっと言えませんわ。ティファさんに悪いわ」
「ダメ！　教えて！　ぜーったい驚かないから」
「そうですか？　ほんな、言いますよ。ええ感じですよ、おふたりの相性、ぴったりですわ。エアリスさんの星とクラウドさんの星！　素敵な未来が約束されてます！　クラウドさん、ボク、司会でも仲人でもスパイでも、なんでもしますわ〜。そんときにはきっと呼んでくださいね。スパイのボクこと信じてくれておおきに！　ほんまに、ほんまに……行ってきます！」
「頑張って、ケット・シー！」

「頑張って、やって。なんや、嬉しいな〜」

「いててて……どないなったんやろ？　まだ動けるようやな」

「これやな！　古代種さんたち、こんな仕掛けよう造りはったなあ〜。ボクもこの星を守るんや。なんや照れるなあ……このおんなじボディのんがようさんおるんやけど、このボクはボクだけなんや。新しいケット・シーが仲間になっても忘れんといてな。ほんな、いきますわ！　しっかり、この星救うんやで！」

「あれが、黒マテリア……」

　おう！　オレはここで見張ってるぜ！
　わたし、ここで待ってるね。
　オイラ、ここでおすわりしてるよ。
　エヘヘ……興味ないから、ここにいるよ。
　私はここで見物していよう。
　ここで一服してるぜ！　くぅー！　こういうところで一服すんのはたまんねえー！

「これを俺たちが持ってる限り、セフィロスはメテオを使えないってわけだ。ん？　俺たちは使えるのか？」
「だめ。いまは使えない。とっても大きな精神の力が必要なの」
「たくさんの精神エネルギーってことか？」
「そう、ね。ひとりの人間が持ってるような精神エネルギーじゃだめ。どこか特別な場所。星のエネルギーが豊富で……あっ！　約束の地！」
「約束の地だな！　いや、しかし……」
「セフィロスはちがう。古代種じゃない」
「約束の地は見つけられないはずだ」

「……が、私は見つけたのだ。私は古代種以上の存在なのだ。ライフストリームの旅人となり、古代種の知識と知恵を手に入れた。古代種滅びしのちの時代の知恵と知識も手に入れた。そしてまもなく未来を創り出す」
「そんなこと、させない！　未来はあなただけのものじゃない！」
「クックックッ……どうかな？　さあ、目を醒ませ」
「だ、黙れ！　う、うるさ……」
「さあ、クラウド……いい子だ」
「う……あう……」

　だーめだよう！　怖がっちゃだめー！

「……ご苦労」
「クラウド、だいじょぶ？」
「……俺はセフィロスに黒マテリアを……？　お……俺はなにをしたんだ……エアリス、教えてくれ」
「クラウド……しっかり、ね？」
「ウヘヘヘ……俺はなにをした！」
「クラウド……あなた、なにもしていない。あなたのせいじゃない」
「俺は！　俺はーっ！」

　んがー！　クラウド！
　クラウドー！
　クラウドっ！
　おろっ!?　クラウド！
　……！
　クラウド！
　うわーん、なにすんだよー！

「こりゃあかん、えらいときに来てしもた！　ボク、ケット・シー２号機です〜」

　よろしゅう頼んます〜！［ケット・シーがパーティにいた：　仲ようしてください〜！］
　おい、クラウド、てめえ！
　クラウド、なにしてるの!?
　エアリス、大丈夫！？
　エアリス！　クラウド、なにやってんだよっ！
　クラウドさん、なんしとんのや！
　クラウド！
　こらっ、クラウド！　なんてことしてんだよ、てめえは！

「真っ白だ……俺はなにをした？　憶えていない……記憶……いつからなのか……？　すべてが夢なら醒めないでくれ」

「クラウド、わかる？」
「ああ、わかるよ。さっきはすまなかったな」
「気にしないほうがいいよ」
「……そんなの無理だ」
「そっか……じゃ、思いっきり気にしちゃえば？　セフィロスのこと、わたしに任せて。そして、クラウドは自分のこと考えて。自分が壊れてしまわないように、ね？」
「ここは……どこだ？」
「この森は【古代種の都】へ続く……【眠りの森】と呼ばれている。セフィロスがメテオを使うのは時間の問題。だから、それを防ぐの。それはセトラの生き残りのわたしにしかできない。その秘密、この先にあるの。ううん……あるはず。そう感じるの。なにかに導かれている感じ、するの。じゃ、わたし行くね。全部終わったら、また、ね？」
「エアリス？」

「おやおや……私たちの邪魔をする気のようだ。困った娘だと思わないか？　そろそろあの娘にも……」

　うなされていたみたいだな。調子はどうだ？

　いいみたいだ

そりゃ、よかったな。まったく、どうなることかと思ったぜ。

　悪い

そうか……でもよ、そうも言ってらんねえぜ。

　よくわからない

そんなとこだろうな。ま、あんまり悩まねえこった。

「あのね、クラウド、エアリスがいなくなっちゃったの」
「みんなはエアリスを探しにいってる」
「……古代種の都。エアリスはそこに向かっている。メテオを防ぐ手段があるらしいんだ」
「エアリスがひとりで？　なんだって、ひとりで行っちまうんだよ！　おい、オレたちも行くぞ」
「メテオを防ぐことができるのは古代種……エアリスだけだ」
「それなら、なおさらよ。エアリスにもしものことがあったらどうするの？　セフィロスが気づいたら大変よ」
「セフィロスは……もう知っている」
「おい！　おまえ、なんだってちんたらしてるんだ？」
「行きましょ、クラウド」
「いやだ。俺、またおかしくなるかもしれない。セフィロスがそばに来ると俺はまた……」
「ああ、そうだよ、おまえのせいでセフィロスは黒マテリアを手に入れたんだ。責任を取れ！」
「責任？」
「おまえはなるほど、いろんな問題を抱えてるんだろうさ。自分のことよくわかんねえんだもんな。でもよ、クラウド。オレたちが乗っちまったこの列車はよ、途中下車ははなしだぜ」
「クラウド、ここまで来たのよ……セフィロスと決着をつけるんでしょ？」
「いやだ……俺は怖いんだ。このままじゃ、俺は俺でなくなってしまうかもしれない。怖いんだ……」
「しょうがねえやつだぜ……あのな、考えてみろよ。自分のこと、全部わかってるやつなんて世のなかに何人いると思ってんだ？　誰だってわけわかんねえから、あーだこーだ悩むんだろ？　それでも、みんななんとか生きてる。逃げ出したりしないでよう。そういうもんじゃねえのか？」
「クラウド……来てくれるよね？　わたし、信じてるから」
「俺は……どうしたらいい？　ここから引き返す？　引き返す？……どこへ？」
「クラウド……」
「待ちな、ティファ。しばらく時間をやろうぜ。これは、あいつが自分自身で決着をつけなきゃならねえことだ。信じてるんだろ、クラウドを」
「……俺は、真実を、知るのが、怖い……？　でも……それは……なぜだ？」

　気がついたのかい？　あの人たち、えらく心配して、あんたが気づくまでずっとそばにいたよ。いい友人を持ったね。

「クラウド……」
「よう、どうだ？　ちょっと訊いときたいんだけどよ、おまえはどっちなんだ？　自分のこともっと知りたいのか？　それとも、知るのが怖いのか？　ま、どっちにしても、ここにいたって、悩んで頭抱えてるしかねえぞ。もしセフィロスと会ってよ、またおまえがおかしくなっちまったら、そんときはそんときだぜ。オレがぶん殴って正気に戻してやるからよ！」
「クラウド、大丈夫よ。みんながついてるじゃない」
「……でも」
「ま、なるようにしかならねえぜ。うじうじ悩むな」
「……そう……だな。……そう……だよな」
「さあ、エアリスを捜しに行きましょう？」

　ようこそ、自然主義の村、ボーンビレッジへ。なんの用かな？

　古代種の都はどこだ？

古代種の都？　ああ、忘らるる都のことだな。

　エアリスを知らないか？

あの女の子のことか？　俺はやめろと言ったのに、眠りの森に入っていったんだ。

　なにをしている？

化石を掘っているのさ。大地が語る、この星の歴史……。

　ルナハープという楽器があれば、眠りの森は目を醒ますはず。目を醒ませば、森は道をひらくと言われています。さっき来たピンクの女の子もルナ・ハープを使って森を抜けたんだ。

　ルナ・ハープが欲しい

下のテントにいる男に聞いてな。

　興味ない

　この先の森は眠りの森と呼んでる。森が眠り、まどろんでいるあいだは、そこに迷いこんだ人間を惑わすと言われています。入ったら二度と出られないとも……でも、さっき、ピンクの女の子と黒い男の人が入っていったわ。大丈夫かしら？

　ルナ・ハープはこの地の地下に眠っている。発掘してほしいのなら請け負うぜ。

　発掘を頼む

ルナ・ハープだけが発掘対象じゃないぜ。どれを発掘する？（ルナハープ／ちょっといい宝／普通の宝）　よし、じゃあ、俺のスタッフを貸してやろう。発掘ポイントを指定してくれ！

　買いものをしたい
　いまは用はない

『眠りの森が目醒めた……』

　おお、ちょうどのタイミングだ！　もうすぐそこまで来ているらしいぞ。準備してくれ。

　準備はできている

もう慣れてきたと思うが、油断しないようにな。それと、三連岩落機が使えるぞ。