FF7 MEMORIES

「ルーファウスたちの作戦は失敗だ……」
「情けねえ話だが、ちびーっと期待しちまったぜ」
「さんざん邪魔しといてなんやけど……ほかに方法があるわけやないし……ボクらがまちごうとったんやろか？」
「悩んじゃうよね」
「悩んじゃダメ！　考えるの！」
「おう！　姉ちゃんの言うとおりだぜ。悩みはじめたらきりがねえぞ！　どんどんどんどん悪いほうへ落ちてっちまうからな」
「ずいぶん前向きじゃねえかよ！　で、なにか考えたのか？」
「あーだこーだ考えたぜ。宇宙からこの星を見ながらな。脱出ポッドで海をぷかぷか漂ってるときまで考えちまったぜ」
「おれも……考えた。宇宙……星……海。広くて大きくて……俺なんかが動きまわってもなにも変わらないんじゃないかって」
「そうなのかもしんねえな。でもよ、オレ様が考えたのは違うぜ。でけえでけえと思ってたこの星も、宇宙から見ると小せえ小せえ。真っ暗ななかにぽっかり浮いてやがるんだ。……とっても心細そうによ。おまけに腹のなかにはセフィロスっつう病気を抱えてるんだろ？　だからよ、この星は子どもみてえなもんだ。でっけえ宇宙のなかで病気になっちまって震えてる子どもみてえなもんだぜ。誰かが守ってやらなくちゃならねえ。ん〜？　それはオレ様たちじゃねえのか？」
「シド……なんだか素敵」
「おう！　シドさんよお！　オレは感動しちまったぜ！　で、どうするんだ？　どうやってメテオから星を守るんだ？」
「………………考え中でい」

「あれっ？　なんか……聞こえた？」
「星の悲鳴……メテオの……？　……この星の？」
「なあ、どうして俺たちはこれが悲鳴だって知ってるんだ？」
「忘れたの？　ブーゲンハーゲンさんが教えてくれたからよ」
「ブーゲンハーゲン……」
「じっちゃんに会いにいこうよ！　【コスモキャニオン】へ！　きっとなにか、ためになることを教えてくれると思うんだ」

　ブーゲン爺さんかよ……よくわかんねえ爺さんだよな。自然主義かと思ってたら、機械にかこまれて暮らしてるしよう。
　ブーゲンハーゲンさん……なにか教えてくれるかな？
　早く早く！　じっちゃんに会いにいこうよ。
　内緒やけども……ブーゲンさんは昔っから神羅のお得意さんやったんです。あ、武器と魔晄は絶対に買いはらへんかったんですけどね。
　コスモキャニオンの機械類はほとんどがガスト博士の贈りもの。神羅製の機械にかこまれ、星の不思議に思いを馳せる……あの老人のなかでは、科学と星がともに生きているのだ。
　関係ねえけどよ、オレ様の知らねえうちに、この船、改造されてんだよな。スイッチとかレバーが増えててよ。気になってしょうがねえぜ。

　行きましょうか？（行きましょう／行かないでください）

　なに？　どっか着いた？　強いウータイのためとはいえ、アタシ、つらいよ。

　あっ、聞いてくれよ！　なんかミッドガルにでっかい大砲がついちゃって、すごいことになっているよ。テレビによると、ルーファウスのふたつめの作戦だとか……あの大砲は真北に向いてるけど……目標は……セフィロス？？
　北のクレーターにセフィロスは巨大なバリアを張ったんだ。ルーファウスはあの大砲でそれをぶち壊す計画なんだ。バリアがなくなった隙に神羅軍でセフィロスを直接攻撃するつもりなのさ。

　戦争がおっぱじまるのかい？　上では、大砲を移動させていたそうじゃよ！
　なあ、クラウドくん……わしはもう老いぼれじゃが、プリシラはまだ子どもなんじゃ。なんとか、あの子だけでもメテオから守る方法はないんじゃろうか……。

　神羅軍の軍事力はすべてミッドガルに集中した。もはやセフィロスでさえも死ぬのは時間の問題……えっ、俺？　俺はいいよう。ここで待機してますよ。命惜しいですからねえ。

　神羅もいろんな手を尽くしたが、所詮、ちっぽけな人間のやること。メテオによって人が滅びるのは運命なのじゃよ。
　……みんな死ぬのよ。なにもかもが終わるのよ。

　しかし、信じられないよ。あのボロっちいロケットが宇宙に行ったとはねえ……やっぱり、メカニックが優秀だったってことだな、きっと。
　ロケットがなくなってしまったから、どうも落ち着かないんだよね。前よりメテオがはっきりと見えるようになったし……たまんないね。
　わ、わしの愛しいロケットが……行ってしもうた。フッ、わかっておるさ。いくら見あげても、もうあのロケットがないことはな。しかし、諦めきれんのじゃよ。老人の愚痴と思うて笑うてくれ。わしの趣味につきあわせてしまってすまんのお。お礼といってはなんじゃが、これをあんたにあげよう。大事に使ってもらえるとわしも嬉しいんじゃが……。わしも、そろそろ新しい趣味を探してみようかのお……。うーむ、シドの家にある神羅のスポーツカー……あいつをレストアしてみるのも、面白いかもしれんな。

　ロケットもなくなったってのに、うちの爺さんはいつまで、あーしとるつもりなんじゃろ？

　なにか飲んでいかれますか？

　話を聞かせてくれ

ロケットによるメテオ破壊が失敗に終わっても、神羅はまだ諦めてはいないようですね。各地の施設からいろいろな兵器を集めて、最後の抵抗をしようとしているようです。

　こうなりゃ意地だ。メテオが降ってくるのが早いか、あいつがトイレから出るのが早いか、俺はこの目で見届けるまでここから離れないぞ。

　ロケット打ちあげも終わってしまえば、たいしたことでもなかったなあ。
　神羅の一大イベントも終わってしまったし、またつまらない毎日が始まるのね……。

　あとは、あのメテオをなんとかすればいいのですね。あなたたちなら、きっと……あの……艇長をよろしくお願いします。

　セフィロス……。ヴィンセント……。
　この声は!?　まさか……ルクレツィア……なのか……？
　ヴィンセント……？
　ルクレツィア！
　来ないで！

　彼女が幸せならば……私は……構わない……。

　反対だ……そんな人体実験を、なぜ！
　私も彼女も科学者だ。

　しばらくしたあと、ルクレツィアに子どもが生まれる。赤ん坊の名は……セフィロス……。

　うわあああああ

　この身体は私に与えられた罰……。私は……ガスト博士や宝条……そしてルクレツィアを止めることができなかった……見ていることしかできなかった……それが……私の罪……。

　ルクレツィア……生きていたのか……。
　消えてしまいたかった……みんなのそばにいられなかった……死にたかった……でも、わたしのなかのジェノバがわたしを死なせてくれない……最近、セフィロスの夢を見るの……わたしの可愛い子ども……でも、あの子が生まれてから、わたしは一度も抱いてない……子どもも抱けない……母親だと言うこともできない……それが、わたしの罪……ダメ！　来ちゃダメ！　ヴィンセント……教えて？
　なにを……。
　セフィロス……あの子は生きているの？　五年前に死んだと聞いたわ。でも、最近よく夢を見るの……それに……あの子もわたしと同じ、簡単に死ねない身体……ねえ、ヴィンセント、あの子は……。
　セフィロスは……死んでしまったよ、ルクレツィア……。

　ルクレツィア……。（デスペナルティを手に入れた……カオスを手に入れた……）

　これは神羅のゲルニカ型飛空艇……なぜ、こんなところに沈んでいるんだ？

　タークス!?
　……またか。
　どうも最近、いろいろと縁があるな、と。この飛空艇にはセフィロスに対抗するために開発された武器やマテリアが積んであった。
　……しかし、ウェポンに襲われて海の底に沈んでしまった。
　ここにあるのは渡せない。セフィロスは我々が倒す、ゆえに、おまえたちはここで永遠のお別れになる、と。
　邪魔はさせない。

　この飛空艇には神羅の新兵器が積んであったのか……。

　ここはカーゴールームか……。

　ひどいな……めちゃめちゃだ。

　なんだ、ここは……魔晄ジェネレーターがあるということは、なにかの研究施設なのか？