FF7 MEMORIES

「セフィロスのエネルギーバリアがなくなっている……シド！　この飛空艇ごとあのなかに行けるか？」
「あーん？　オレ様の弟子がパイロットなんだぜ？　どこだって行けるに決まってるじゃねえか！」
「そうだな、悪かった」

「おい、ケット・シー！　今度はなんだ？」
「ちょっと待ってくれ！　スカーレット！　ハイデッカー！　どうなってるんだ？」

「わからねえ、社長と連絡が取れない！」
「社長やない！　シスター・レイのほうや！」
「キャハハハハ、なんだよ、リーブ、おかしな言葉を使うねえ？」
「そ、そんなことはどうでもいいいんや！　魔晄炉の出力が勝手にアップしてるんや！」
「ちょ、ちょっとまずいよ、それ！　あと三時間は冷やさないとダメ！　リーブ、止めなさい！」
「それができないんだよっ！　操作不能なんや！」
『何者かが本体操作に切り替えています！　こちらからは操作できません』
「本体？　誰が!?　おい、本体を呼び出してくれ！」
「ん？　どうしておまえが指示するんだ！」
「細かいことはどうでもいいんや！」

「クックックッ……セフィロス、待っていろよ。もうすぐたっぷりと魔晄を送ってやるからな」
『やめろ、宝条！　キャノン、いや、それどころか、ミッドガル自体が危ないんだ！』
「クックックッ……ミッドガルのひとつやふたつ、安いものだ」
『宝条！　宝条……！』
「セフィロス……見せてくれ、さあ……もうすぐだ。クックックッ……科学を超えていけ……おまえの存在の前では、科学は無力だ……悔しいが、認めてやる。その代わり……見せてくれ。クックックッ……」

「おい！　ケット・シー！　なんとかしろ！」
「どうしようもない。宝条が勝手にやってることだ……？……？……？　あ、あれっ？　いや……ことなんや……」
「もうとっくにばれてるよ、リーブさん！　いまさら正体隠してもしょうがねえだろ？」
「魔晄炉、止められないのか？」
「……止められへんのや」
「おまえ、神羅の人間なんだろ？　どうして無理なんだよ！」
「………」
「てめえ、ここまで来て、オレ様たちを裏切ろうってんじゃねえだろうな！」
「信じろ……といっても無駄か……」
「この大馬鹿野郎！　オレ様の言ってることがわからねえのか？　神羅もクソも関係ねえ！　男なら……いや、人間なら、この星を救ってやるんだ！　って気にならねえのかよ？」
「あかんのや！　魔晄炉を止めたら大変なことになるんやで！」
「なんでだ？　バルブを閉めればいいんじゃねえのか？」
「そや、魔晄炉の汲み出しパイプのバルブを閉めるのは簡単や……でもな、魔晄炉はエネルギーが地中から抜け出す道をあけたんや。一度あけたら、出るもんが涸れるまで塞ぐことは無理なんや……どんどん湧き出るエネルギーを無理に塞いでしまうとやな……」
「爆発か！」
「壱番魔晄炉が爆発したときとは桁違いの大きさや！」
「くそっ……」
「それよりキャノン砲や。ミッドガルに行かなあかん！　それが先決なんや！」
「宝条を……だな」

「クラウドたちが来てくれるそうや。邪魔しないでくれよ！」
「ガハハハ！　馬鹿なことを言うな！　おまえに命令される憶えなどないわ！　治安維持部門は総力をあげてあいつらを撃退してやる！　あ、あいつらのせいで、俺は……俺はなあ！」
「そんな個人的なことを……」
「社長は死んだ！　俺は俺のやりかたでやる！　ガハハハ！」
「キャハハハ、ハイデッカー！　例の新兵器、使うわよ！」
「おい！　待て！　クラウド、みんな！　すまん……でも！」

「でも！　来てくれるよな！」
「もちろんさ！」
「おい、船はてめえに任せるぜ」
「ミッドガルに進路を取ります！」

　行ったり来たり……振りまわされるよな。でもよ、オレはミッドガルの連中には返しきれねえ借りがあるからよ……。
　大丈夫だよね。クラウドがいる……みんなもいっしょだものね。わたしたち……なんでもできるよね。こんなに頑張ってるんだもの。
　宝条はどうしてこんなに事件ばかり起こすんだろう。静かに研究だけしてればいいのにさ。
　何度も何度もすんません。もーちょい、ボクがしっかりしとったら、こんなことにはならんかったのに……。
　宝条……不幸な男。科学的センスのなさ……つきまとう天才ガスト博士との比較……ルクレツィアは宝条を守ろうとして、あいつを選んだ……いまならわかる……わかるが……しかし……。
　行ったり来たり、忙しいじゃねえか！　こんなにこき使われたんじゃ、水着の女神さんもひいひい言ってるぜ。

　おう、クラウド、どうする？　ん？（行ってくれ！／待てよ）

　ミッドガル……行くの？　あ、アタシ……どこでもいい。早く降ろして。

「ミッドガルに到着しました！」
「クラウド、着いたといっても、ミッドガルは厳戒態勢だ！　スラムからは侵入できねえぜ！」
「スラムからの交通機関は完全封鎖みたいよ……」
「おいおい、なんのためのハイウィンドだ？　オレ様たちは、いまどこにいる？」
「あ？　どこって、ここは……」
「地上がだめでも、空があるじゃねえか！」
「よし！　パラシュートでミッドガルに降下するぞ！」

「行くぞ！」

「ハイデッカーがみなさんを狙ろてますんや。そやから、外は危険です。地下を通りましょ！」

　オレが言うと変だけどよ……ミッドガルに来ると、家に帰ってきたって気がしちまうんだよな。ケッだぜ。
　わたしたち、ミッドガルの地下には詳しくなっちゃったね。
　オイラ、宝条にはいろいろ恨みがあるからね！　早く行こうよ！
　変な臭いするよ、この街は。早くおしまいにしちゃおうよ！
　ここが入口ですわ。ほんま、頼んます！　魔晄キャノンまで、はよう来てや！
　長き時が過ぎても、騒動を巻き起こすのは宝条というわけか。
　おう！　サクサクッと行こうぜ！　サクサクッとよ！

「あ、来ちゃった！　どうするんですか、先輩！　もう、命令なんて無視していいと思うんですけど」
「……イリーナ、甘えるなよ、と」
「俺たちはタークスだ」
「……わかりました。そうですよね」
「さて……仕事だ」
「あんまり気乗りはしないが、と」
「わたしたちに与えられた命令は、あなたたちを発見次第……殺すこと。もう会社はボロボロだけど、命令は命令なの。タークスの意地と心意気！　受け取りなさい！」

　ウータイイベント終えている。
　………。
　な、なにをしている！　行くわよ！

　わかった、けりをつけよう

　だな。おまえらとは、妙な関係だが……決着はつけねばな、と……タークスとして！

　やめておこう

　な、情けをかけるつもり？　タークスをなめないで！
　待て、イリーナ、と。
　せ、先輩！　まさか命令違反を……！
　神羅も、もうおしまいだ。こんな事態になっちまっちゃな、と。
　………。
　先輩……。
　イリーナ、おまえも立派にタークスだったぜ、と。
　………。
　じゃあな。おたがい生きてたら……命あってのものだねだぜ、と。
　憶えておきなさい！　タークスの意地と心意気……！
　仕事は終わりだ……。

ウータイイベントをやっていない

　ここは任せろ！　キャノンへ急げ！
　わたしは大丈夫！　早くキャノンを！
　臭うよ！　キャノンはこっちじゃない！
　早く早く早く早く〜っ！
　ちゃうちゃう！　シスター・レイはこっちやない！
　どっちだ……!?　えーい！　くそキャノンがーっ！

　な、なんだ？　ありゃ！
　う、嘘でしょ……。
　!?
　ま、まじで……？
　そんなあほな。できとったんかいな……。
　……！
　おいおい！　そこまでするかよ……。

「ガハハハハハハハ！　来たな、来たな！」
「キャハハハハハハハ！　やっぱり来たよ！」
「よーくもいままでコケにしてくれたな！」
「わたしの可愛い兵器たちをたっくさん壊してくれたわねえ！」
「ガハハハハ！　だが、対ウェポン用兵器のこいつはどうかな！」
「おまえたちでは役不足だが、このわたしの絶対の自信作！　このプラウド・クラッドの破壊力！　見せてあげるよっ！」

「馬鹿な!?　このプラウド・クラッドが……!?」
「うおおおお……！」

　急いでるんやって！

「こっちや、クラウドさん！」

　クッ！　宝条……！

　おっ！　こいつは……こりゃあいいぜ。待ってろよ、宝条……！

「宝条！　そこまでだ！」
「ああ……失敗作か」
「名前くらい憶えろ！　おれはクラウドだ！」
「おまえを見ると私は……私は自分の科学的センスのなさを痛感させられる……私はおまえを失敗作だと判断した。だが、セフィロス・コピーとして機能したのはおまえだけ……クックックッ……自分が嫌になるよ」
「なんでもいいから、こんなことはやめろ！」
「……こんなこと？　おお、これか？　クックックッ……セフィロスはエネルギーを必要としているようだからな。私が少しばかり力を貸してやるのだ」
「なぜだ！　なぜそんなことを！」
「なぜなぜとうるさいやつだ。ふむ……科学者に向いているのかもしれないな。エネルギーレベルは……83％か。時間がかかりすぎだ。息子が力を必要としている……理由はそれだけだ」
「……息子？」
「クックックッ……あいつは知らないがな。クックックッ……クァックァックァッ！　セフィロスのやつ、私が父親だと知ったらどう思うかな。あいつは私のことを見くだしていたからな。クァックァックァッ！」
「セフィロスがあんたの息子？」

　……！

「クックック……私の子どもを身ごもった女をガストのジェノバ・プロジェクトに提供したのだ。クックッ……セフィロスがまだ母親の胎内にいる頃にジェノバの細胞を……クァックァックァッ！」

　き、貴様……！

「あんたがこんなことをしているのは……セフィロスへの罪滅ぼし……」
「ヒーッヒッヒッヒッ！　違う、違う！　科学者としての欲望だ！　ヒーッヒッヒッヒッ！」

　……私は……間違っていた。眠るべきだったのは……貴様だ、宝条……！

「私は……ヒッ、ヒック！　科学者としての欲望に負けた。このあいだもな、負けてしまった。自分の身体にジェノバ細胞を注入してみたのだ！　ヒーッヒッヒッヒッ！　結果を……ヒーッヒッヒッヒッ！　見せてやろう！」

「………」

　とにかくよう……これでキャノンは止まったわけだ……。
　セフィロスが……宝条の息子だったなんて……。
　父親か……。
　なんか、かわいそ……。
　よう来てくれました。
　宝条……永遠に眠れ……。
　チッ、けったくその悪い……！