FF7 MEMORIES

「神羅は……終わりました」
「メテオが落ちてくるまであと……」
「あと七日って、じっちゃんが言ってた」
「なあ、レッド13、コスモキャニオンの人たちに会いたいか？」
「……うん」
「マリンに会いたいだろ？」
「そんなこと訊くなよ」
「俺たちがセフィロスを倒して……そしてホーリーを解き放たないと、七日後にはこの星そのものが死んでしまう。俺たちがセフィロスを斃せない……それは……俺たちが死ぬということだ。メテオで死んでしまう人たちより何日か先に、だ」
「戦う前から負けること考えるんじゃねえよ」
「違う！　俺は……なんていうか……みんながなんのために戦っているのか、それをわかっていてほしいんだ。星を救う……星の未来のため……確かにそのとおりなんだと思う。でも、本当は、本当はどうなんだろう？　俺にとっては、これは個人的な戦いなんだ。セフィロスを斃す。過去との完全な決別。それが星を救うことに繋がっているんだ。俺、考えたんだ。やっぱり俺たちは自分のために戦っているんだ。自分と……自分の大切にしている誰か？　なにか？　そのために戦う。そのために星を救う戦いを続けているんだ」
「確かに……星を救うってのは、なんとなくカッコいいよな。でも、オレにできたのはあの魔晄炉爆破だ……いまとなっちゃあ、あんなやりかたはいけなかったってことはよくわかる。仲間たちや関係のない大勢の人間を不幸にしちまった……最初は神羅への復讐だった。オレの故郷を奪ったよ。でも、いまは……そうだぜ、オレはマリンのために戦ってるんだ。マリンのために……マリンの未来のために……そうか……オレはマリンのために星を救う戦いをしているのか……」
「会いに行けよ。その気持ち、確かめてこいよ。みんなも、一度船を降りて、そして自分の戦う理由……それを確かめてほしいんだ。そうしたら、帰ってきてほしい」
「誰も戻ってこないかもしれねえぜ。メテオでどうせ死んじまう。無駄なあがきはやめようってよ！」
「俺は自分が戦う理由を知っている。紛れもなく、星を救うために戦う。でも、そのなかに個人的な……とても個人的な俺の思いがあるんだ。みんなは……どうだ？　俺はみんなにも、そういうものを見つけてほしいんだ。見つからなかったら仕方がない。理由なしでは戦えないだろ？　だから帰ってこなくても……仕方がないよ」

「ティファは、どうする？」
「忘れちゃったの？　わたし……ひとりなんだもん。どこにも行くところがないんだもの」

「みんな、行っちゃったね……」
「ああ、俺たちには帰るところも待っていてくれる人もないからな」
「そうだね……でも……きっと、みんな……戻ってきてくれるよね？」
「さあ……どうかな……？　みんな、それぞれかけがえのない大切なものを抱えているし……それに、今度ばかりは相手が相手だ……」
「うん……それでもわたし……平気だよ。たとえ誰も戻ってこなくても、クラウドといっしょなら……クラウドがそばにいてくれるなら……怖くても……負けないよ、わたし……」
「……ティファ……」
「わたしたち……これまではずっと遠く、離れ離れだったんだね。たとえ、どんな近くにいても……でも、ライフストリームのなかでたくさんの悲しい叫びにかこまれたとき、クラウドの声が聞こえたような気がしたんだ……クスッ……クラウドは知らないって言うかもしれないけど、でも、胸のずっと奥のほうで……あなたの声がわたしを呼んでる……そんな気がしたんだ……」

　ティファの好感度が高い
　ああ……あのとき俺にもティファの叫ぶ声が聞こえたよ。ティファの声がライフストリームの意識の海から俺を呼び戻してくれたんだ。約束したもんな。ティファになにかあったら必ず駆けつけるって。
　ねえ、クラウド……わたしたちの声を、星たちも聞いてくれると思う？　頑張ってるわたしたちの姿を見ていてくれると思う？
　さあな……でも……誰が見ていようといまいと、とにかく、できることをやるだけさ。自分自身を信じて……ライフストリームのなかでティファにそう教えられたよ。
　うん……そうだね……。
　なあ、ティファ……おれ……ティファに話したいことが、たくさんあったんだ……でも、いまこうしてふたりでいると、本当はなにを話したかったのか……。
　クラウド……想いを伝えられるのは言葉だけじゃないよ……。
　ティファ……。

　……もうすぐ、夜明けだな……。
う、うん……？
　ごめん、起こしちゃったか……もうすぐ夜が明けるよ、ティファ。
　うん……あの……お、おはよう……クラウド。もう少しだけ……このままでいさせて……二度とこない、この日のために……せめて、いまだけは……。
　ああ……いいよ。これは、俺たちふたりに許された最後の時間かもしれないから……。

　ティファの好感度が低い
　そうか……俺も聞いたような気がするな。あのとき、ティファの声を……。
　ねえ、クラウド……わたしたちの声を、星たちも聞いてくれると思う？　頑張ってるわたしたちの姿を、見ていてくれると思う？
　さあな……でも……誰が見ていようといまいと、とにかく、できることをやるだけさ。自分自身を信じて……答えは、いつかきっと見つかるさ。諦めさえしなければ。
　うん……そうだね……。
　明日の戦いに備えて、今日は早く休もう……。
　うん……。

「………」
「そろそろ時間だ」
「でも、まだ……！」
「いいんだよ、ティファ。昨日、ティファも言ってたろ？　少なくともおれたちは、ひとりぼっちで行かなきゃならないってわけじゃない」
「うん……そうだね！」
「よし！　それじゃ行こうか！」

「……ふたりきりだと飛空挺、広すぎるね。やっぱり、ちょっとだけ寂しいな」
「心配するな。大丈夫だ。おれがみんなのぶんも大騒ぎしてやる。それに、パイロットはおれだ。いままでみたいに安心して乗っていられないからな。寂しがっている暇なんてないぞ、きっと」
「あれっ!?」
「動き出した……」

「バレット！　シド！」
「お、おう……もう、いいのか？」
「レッド13！」
「どうして声、かけてくれなかったの？」
「だって……ねえ、シド」
「なあ、レッド13よう、邪魔しちゃ、あとでなーに言われっかわかんねえもんなあ……」

　……見てたの？［好感度が低い：　……聞いてたの？］

　ヴィンセント！
　なんだ、その驚いた顔は。私が来てはいけなかったのか？
　いつも冷めてたから……関係ないって顔してただろ？
　冷めて？　ふっ……私はそういう性格なのだ。悪かったな。

「帰ってきたみてえだな。神羅の部長さんがよ」
「あの〜。ボクも、本体で来ようと思たんですけど、いろいろやらなあかんことがあって……ほんで、ミッドガルの人たちですけど、いちおう避難してもろてますのや。すんませんけど、この作りもんのボディで頑張らせてもらいます」
「さて……全員そろったな」

　ユフィ、いないよ。
　あいつは……来ねえだろ、きっと。でもよ、オレたちのマテリアを盗んでいかなかった。それだけでもよかったんじゃねえのか？
　ひっどいな〜！　船酔いに負けないでここまで来たんだよ！　最後の最後に抜けちゃって、おいしいとこぜーんぶ持ってかれるなんて絶対嫌だからね！
　お帰り、ユフィ。
　おろ〜……クラウド、優しいねえ。なんかあった？　まあ、いいか。じゃ、アタシは通路の指定席で待機……ウッ！……ウップ！

「みんな、ありがとう」
「おまえのために戻ってきたわけじゃねえ！　オレの大切なマリンのため、それとおんなじぐらい大切なオレの……オレの気持ち……ってのか？　オレはよ……いま、ここにはいねえ……」
「……ここにはいないけど、オイラたちにチャンス、残してくれた……」
「このままってわけにゃいかねえよな」
「……エアリス、最後には微笑んだんだ。その笑顔、俺たちがなんとかしないと、張りついたまま動かない。みんなで行こう。エアリスの想い……星に届いたはずなのに、邪魔されて身動きできないでいる……エアリスの想い、解き放つんだ！」
「気が変わったってやつ、いねえよな？」
「頼む、シド」
「へへ……ここに、ずっと気になってたレバーが二本あるんだが……ちょっと試させてくれよな。じゃ、なんだ、クラウドさんよ、いっちょ、決めてくれ！」
「俺たちの最後の戦いだ！　目標は北の大洞窟。敵は……セフィロス！　行くぜ、みんな！」

「もうすぐ北の大空洞だな！　セフィロス、待ってろよ！」
「おう！　突っこむぜい！」

「どうした、シド！」
「あがががが！　コントロールできねえ！　すげえエネルギーだ！」

「なんだ、てめえら！　実家へ帰れって言ったじゃねえか！」
「そうです！　ここがぼくたちの家でっす！」
「ケッ……カッコつけやがって。わかったぜ、おめえら！　オレ様をしっかり押さえやがれ！　行っくぜー！」