交易のススメ
Ｃ： 「さて、スノウのついた丸太を拾ったので、何人か訓練所でレベルあげをしたあげくにオベル遺跡のラスボスを斃しに――」
Ｓ： 「ラスボスはエルイール要塞にいるのでは？」
Ｚ： 「こいつのラスボスは光もさもさなんだよ」
Ｃ： 「あいつを斃せば、ちょこぼ軍は最強！」
Ｚ： 「まあ、確かにあのブツを手に入れられるからなあ」
Ｓ： 「……軍の名前をちょこぼ軍にしたのか」
Ｃ： 「もちろん。ちょこぼ軍の本拠地チョコボ号。タイタニックじゃ、みんな考えそうな名前だし」
Ｓ： 「沈めるな、馬鹿者」
Ｃ： 「というわけで、ゲームのほうは順調だ。ちゃっかり海賊王セットはそろえたし、心残りは宝の地図を全部手に入れられないってことなんだけど」
Ｓ： 「なぜ手に入らん？」
Ｚ： 「ミニゲームで行き詰まるんだよ。ベーゴマは懐かしくて楽しいんだが、なかなか連勝できない。調子いいと思ってると、むこうが一瞬でこっちの駒をはじいちまう。そういうときに慌てて放りこんでも間に合わないし」＊現在は必勝タイミングを完全に掴みました。ふふん♪
Ｃ： 「まあいいさ、いま一千万ポッチあるから資金には事欠かないからな。どうしてもアイテムコンプリートしたかったら二周めでやろう。とりあえずは武器だ」
Ｓ： 「待て、いつのまに一千万も？」
Ｃ： 「交易に決まってる。幻水４は値段がころころと細かく変わるから、儲け額の効率のいい品物を見定めるのになかなか時間がかかるけど」
Ｚ： 「そのうえ、でかい金額を稼げるのは出まわる数が少ないからな。真珠とか鹿の角とか……光るたまは今回、あんまり儲けにならないんだ。絶対罠だよな」
Ｃ： 「ふふん♪ ところが、鉱石や織物がおいしいんだ、これが。毛織物が特に狙い目だ。数も多いときには多く出まわるしな。ただし」
Ｓ： 「ただし？」
Ｃ： 「若干の先行投資がいる……みたいなんだよ」
Ｓ： 「みたいとは？」
Ｚ： 「攻略見てやってるわけじゃないからはっきりと言えねえんだけど、各交易所で売買を繰り返さないと出てこないのが鉱石や織物類の《上等品》」
Ｃ： 「普通に安いところで買って高いところで売ることを繰り返していると、高いものを扱ってる交易所にしかその《上等品》が出てこない。ってことは、安くても売らないと上等品の交易ができないみたいなんだ。一か所だけで売買してても全然儲けにならないもんな」
Ｚ： 「だから、上等品が出るまではとりあえず鉱石、織物類は全部買う。そして全部売ることをしばらく繰り返し――そのさい、若干の赤字は覚悟だ。そうすると、めでたく《上等品》が並ぶようになる。そうしたらもう、あとは普通に交易していれば、いつのまにか十万、二十万と増えていく、と」
Ｓ： 「……なるほど、テレポートがあるから島をめぐるのもそんなに時間がかからんだろうしな」
Ｃ： 「そうそう」
Ｚ： 「うんうん――って、ちょっと待て。いまさらだが、最初、さっくりとスノウを仲間にしたって言わなかったか」
Ｃ： 「おれは、スノウのついた丸太を拾ったと言ったんだ」
Ｚ： 「ってことはもう、108人め!?」
Ｃ： 「うん。あとはトリさんが飛んでくるのを見て、エレノアさんと酒盛りして要塞突入するだけ。最後の海戦、白兵戦なしで宿敵トロイに完勝したいから、相手の作戦を見極めるためにあきらめない選択を覚悟していくけど」
Ｓ： 「ふむ、わざわざリセットしなくても、わざと降伏してやりなおしができるからな」
Ｚ： 「仲間を鍛えてさえおけば、いざとなれば白兵戦でごり押しできるのに」
Ｃ： 「それじゃ、なんのための海戦だよ。幻水３のときは鍛えた仲間がそのまま戦争イベントの戦力になるからとっても爽快だったけど、せっかく面白い海戦ゲームなんだから、そういう方法で楽しまないと」
Ｚ： 「はいはい」
Ｃ： 「まずは艦長は主人公！ と行きたいけど、やっぱりここは譲ろう」
Ｓ： 「主人公もなかなかの機動力なのだがな」
Ｃ： 「強引に仲間になるあいつには誰も追いつけない。ってことで、主人公は白兵戦要員。いみじくも、最序盤のスノウの進言が当たってるってわけだ」
Ｚ： 「力自慢は白兵戦にまわせってか？ 武器レベル鍛えておけよ」
Ｃ： 「武器――はっ、そうだ、こんなところで喋っている暇はない。金のとんかちを略奪してこなくては。遺跡であいつが待っている！」
Ｚ： 「まあ、レベル50もあったら楽勝だろうけどな……念のために土紋持ち連れてけよ！」
Ｓ： 「もう、聞いておらん」