ラプソディア・ＳＺＣプレイ記

何がために戦う

Ｃ：　「さあ、所持金37ポッチだ、再びオベル遺跡へ！」
Ｚ：　「七万あったはずが……」
Ｓ：　「さすがに、この金欠バランスはどうなのだ？」
Ｚ：　「いや、全部のキャラをまんべんなく交代で使おうとするから、武器や防具を全員そろえなきゃならないという破目になるんだと思うけど」
Ｃ：　「武器も防具も放置して、使えねーっていうキャラがいると可哀相になるだろ！　こいつはほんとは強いんだって証明してみたくなるじゃないか」
Ｓ：　「なにに対して証明する必要があるのか知らんが……」
Ｃ：　「ただ最近、４様使うのがつらくなってきてる」
Ｚ：　「なんで？」
Ｃ：　「いや……このオベル遺跡、潜れば潜るほど、役に立つのはトリに乗れるとか、協力攻撃があるとかっていうのになってきて……。敵の魔防も半端なくなってきてるから魔法使いもうっかり出せないし、だからレベルは関係なく……まず考えるのはキャラの組みあわせにになってきたよ。協力攻撃の有無ばかりじゃなく、好感度とかな」
Ｓ：　「そういえば４主は、トリには乗れんのか」
Ｃ：　「トリどころかウマにも乗れない。だから移動の不便さは罰紋の射程でカバーしてたんだ。ところが」
Ｓ：　「ところが、敵のステータスのおかげで罰紋が通らんと」
Ｚ：　「ほとんどの敵が即死効果無効だし」
Ｃ：　「それでもやっぱり、攻撃力に回避、直防に魔防、技、速度と、すべてのステータスが群を抜いてるから、突っ立ってるだけでも役には立つ。というわけでオベル遺跡５階ぶん、出陣メンバーは４様、セドリック、ノア。以上」
Ｚ：　「三人だけ？」
Ｃ：　「うん。セドリッ君が駆け抜けるまで４様とノアは避けまくる。運が悪いとノア死亡になるけど、これはリトライで。ようするに、ここでほかのメンバー出して、例えば協力攻撃を消費させちゃうのはもったいないということに気づいたからさ。フライリザードが出てくるとセドリッ君が眠らされて面倒だけど、なんとかなる。これで地下５階も五分で終わるというわけだ」
Ｓ：　「戦う気がまるでないな」
Ｃ：　「おれたちの本当の敵はこのむこうにいるんだ！　だから……素直に通してくれよ！」
Ｚ：　「……潜るたびに、これ繰り返さなきゃならないんだよな」
Ｓ：　「しかも、掘り残しているものがあると言って聞かんから……」
Ｚ：　「……そろそろラスダン行かねえか？」
Ｃ：　「お宝が先！ というわけで烈火の間！――あれ？」
Ｓ：　「来たことのある場所だぞ」
Ｚ：　「火は４様、鬼門じゃなかったか？」
Ｃ：　「やっぱりランダムか！　今度は旋風の間とか、そのへんだと思ったのに！　あ、だけど新しい宝箱がある。竜も一体だけか。エレメントが、いち、にい、さん……四匹もいるなあ。邪魔だからとっとと斃すか。一匹残しておけば、今度こそあの離れ小島にルネをおろして掘り残してたものをゲットしてもらえるし。というわけで出陣メンバーはオベル王国家臣団、アメリア、ミレイ、ジェレミー、トリスタン、グレッチェン、ウェンデルに……うーん、ひとり余った。ユウ先生とキャリーと、どっちにしよう……いや、キャリーが出てくると４様にくっつきたがるから（陣の関係上）、まとめてブレス浴びせられると一発で離脱になるな。ユウ先生にしておこうか。ウェンデルが護衛。これでよし」
Ｓ：　「……協力攻撃が見つかるといいのだが」
Ｚ：　「あったとしても、たぶん見つからねえよ」
Ｓ：　「なぜだ？」
Ｚ：　「早々に三人をトリに乗せやがった。あれじゃ飛行部隊攻撃しか協力技が発動できない。どうもウェンデルにはパートナーがいなさそうだし、アメリアの親しいキャラっていうと……マキシンとかデボラさんとか、美容関係ばっかりだったような気がするし、まじめなグレッチェンはアメリアやウェンデルと話が合いそうにない」
Ｓ：　「まあいいか。それにしてもあの鳥たちはなんだ、吊り橋を横に往復して一撃離脱、一撃離脱で削り、出口で４主とグレッチェンがとどめを刺しているだけという……」
Ｚ：　「ただ待機するだけよりもいいじゃねえか」
Ｓ：　「各個撃破を繰り返すだけがつまらんというのだ」
Ｃ：　「ふふん、あとは烈火竜のみ――ぎゃー、ここで援軍か！　ああっ、ミレイが、ミレイがあああ！」
Ｓ：　「む、リトライか？」
Ｚ：　「まあ、もうリトライも慣れたもんだろ。戦法変えるか？」
Ｃ：　「変えない。これで行く。くっくっく……烈火竜め、見てろ……」
Ｚ：　「……燃えてるな」
Ｓ：　「まあ、もともとマップ全体が燃えているようなものだ。しかし、本当に先刻と同じやりかたばかりで」
Ｚ：　「でも、なんか手ぎわがよくなった。お、４様を突進させた――って、邪魔だからってエレメントごときに旋風剣使うのかよ。チート技だぞ、それ」
Ｃ：　「うるさい、火の精が通り道にしたもんだから、この橋全部が炎陣なんだ。いちいち風敷いてられるもんか。だいたい向こう岸に辿りついた途端、援軍が六匹も出る。初手で陣補整の強化罰紋仕掛けないと」
Ｓ：　「だが補整しても、罰紋は竜にはあまり効かんのではなかったのか」
Ｃ：　「うん。諸刃の剣で集中させても200削るかどうかしか効かない。だからトリを出したんだ。さあ、烈火竜が４様ターゲットに大爆発の詠唱に入ったぞ。トリ部隊、集まれ、集まれ」
Ｚ：　「集めたら、いっしょくたにやられるんじゃ？」
Ｓ：　「む、ターンが間に合うぞ」
Ｃ：　「ようし、計算どおりだ、飛行部隊攻撃！　そのために使わないで取っておいたんだからな。これで竜はなにもできずに離脱だ、ざまあみろ！　あ、ついでに弓兵も一匹いなくなった。あとはもう、各個撃破、撃破、撃破。さて、エレメントが残っているうちに――あ、あれっ、メニューが消え――戦闘終了っ!?　どうしてっ！　エレメントを残しておいたはずなのに！」
Ｚ：　「あのさ、最後のエレメント……さっきの４様の罰紋に巻きこまれてたみたいだけど」
Ｃ：　「え……？」
Ｓ：　「宝箱を取り逃したな」
Ｚ：　「それに発掘チャンスも」
Ｃ：　「そ、そんな……おれは……おれはなんのために戦ったんだ！」
Ｓ：　「宝箱を取ったり掘る手間を省いたぶん、高評価になったと思えばよかろうが」
Ｚ：　「そうそう、ほら、もらってきた烈火の間の模型でも組み立ててろよ」
Ｃ：　「くすん……」