ちょこぼのパルス探訪

鬼畜なミッション

Ｃ：　「またスノウを入れた」
Ｓ：　「で？」
Ｃ：　「スノウはディフェンダー専門、ピコチューを惹きつけてもらう。いざとなれば見殺しフェニックスの尾。そして姐さんとホープでひたすらネオチューを狙う」
Ｚ：　「うは……ディフェンダーの入ってないオプティマがとどめ用のラッシュアサルトしかねえ。本気でスノウ犠牲にする気だな、おまえ」
Ｃ：　「そのとおり！」
Ｓ：　「容赦のない……」
Ｃ：　「無駄に頑丈なんだ、こういうときぐらい頼ったっていいだろ！ それにほら、しぶとくジャボテンダーを計６回仕留めたおかげで12万ものCPがあって――」
Ｚ：　「それだけ勝利しといて★１しか出ないのか？」
Ｃ：　「びくっ！」
Ｓ：　「ザックス……」
Ｃ：　「ずーん……」
Ｚ：　「あ、悪い」
Ｃ：　「……★２までは出たんだ、じつは。おれの出したタイムは２分13秒だったのに、目標タイムが２分６秒に変わってて……悔しくって、うっかりタイトルに戻してやりなおしたら、それから全然縮められなくなって」
Ｚ：　「いやあ、だからさ。まずはクリアをめざそうぜ」
Ｓ：　「そうとも、これまでのミッションを考えてみろ、いちばん最初のミッションからして初めは星を取れなかったではないか」
Ｃ：　「……うん」
Ｚ：　「そうそう、リストの輝かしい★の列だって、あとから苦労してそろえたんだろ。初めからなんて贅沢ってもんだ」
Ｃ：　「そうか、うん、そうだよな！」
Ｓ：　「冥碑の場所も出現場所もすでにわかっているから、ジャボテンダーとはいつでも遊べる。さあ、前に進もうではないか」
Ｚ：　「姐さんいわく、前だけ見てろ」
Ｃ：　「わかった、おれは前を見る。おれの前には――」
Ｓ：　「子育てに精出しているネオチューが」
Ｃ：　「………」
Ｚ：　「………」
Ｓ：　「………」
Ｃ：　「やっぱり可愛い♪」
Ｚ：　「だめだ、ボコる気が失せる……」
Ｓ：　「……逆にどれほどボコられても殺意が湧かないに違いない。ある意味、鬼畜な……」
Ｃ：　「でも、でも……おれはチョコボのルシとして使命を果たさなければ！　ごめんよ！」

――ライトニングHP16000、ラッキーブレイカー連鎖、ホープHP15000（アダマンバングル改造）、スノウHP25000、用意したオプティマ、奮起の挑戦者（AED）初動、デルタアタック（ABD）、フェニックス（HHD）、がなる専用で鉄の双璧（DED）、念のための強化用で忍耐の守護者（HED）、ラッシュアサルト（BBA）

Ｃ：　「まずはピコチューを１個減らす！」
Ｚ：　「１匹って言えよ。ってか、なんで１匹？」
Ｃ：　「五体いると、さすがにスノウも支えきれないんだ！」
Ｚ：　「だから、なんで１匹だけなんだって」
Ｃ：　「いまの姐さんのステータスで最初の花粉までに減らせるのが一匹だけだから！　花粉が来ると、回復と異常解除に時間取られて、ピコチューどころじゃなくなるからな」
Ｓ：　「つまり、それがわかるまで何度もやったのか……」
Ｃ：　「もちろん！」
Ｚ：　「わかった、もういい、好きにやってくれ……」
Ｓ：　「ふむ、確かにピコチュー一体いないだけでもずいぶん楽だな」
Ｃ：　「がなったな！　鉄の双璧だ！　慣れたもんだろ？　すぐにフェニックスにして、よいしょ、よいしょ、みんな緑になったら……まあスノウはいいや、はい、奮起しよう。プロテス、ベール、よしよし、あ、ヘイストもくれるの？　ありがとう。でもすぐ花粉でほとんど消えるんだけど……あ、消えた。でもエスナがあんまり必要ないな。うん、これはいい。フェニックスで残ってる状態異常解除、解除」
Ｚ：　「あれ、手動コマンド？」
Ｃ：　「うん、黄色が残ってると、放っておくとふたりともケアルかけつづけるだけだから、ここは手動でやるしかない。ホープ君の回復量におんぶにだっこだ。で、回復したら、また奮起でよろしく。姐さんはネオチュー攻撃だ、行け！　隙見てデルタアタックにしてやるから頑張れ！」
Ｓ：　「がなったぞ……」
Ｚ：　「もうすぐ花粉が……」
Ｃ：　「よいしょ、よいしょ、エスナ、エスナ、回復、補助……よし、攻撃だ！」
Ｓ：　「またがなる……」
Ｚ：　「かふーん……」

――20分後。

Ｓ：　「ええい、いつまで続くのだ！」
Ｚ：　「しーっ、こういう長丁場は忍耐と集中力が……」
Ｃ：　「でた！　ラッキーブレイク！　でもデルタアタックのまま、そのままだ、ラッシュアサルトでたたみこみたいけど、我慢だ、我慢、ここでディフェンダー解除したら、ピコチューがホープくんに群がって、結局フェニックスにしなきゃならなくなる。よしよし、もう少しだ！」
Ｓ：　「………」
Ｚ：　「……こんなに時間経ってからラッキーブレイク発動してもらっても……なあ？」
Ｓ：　「まあ、な……だが、どうせまた、やりなおすことになるのだろう。今度は補助をどっさりつけるまで我慢してから攻撃するとか言い出すだろうからな」
Ｃ：　「ふう、あとは……と」
Ｚ：　「ピコチューが残ってるぞ」
Ｓ：　「心なしか、お母ちゃんがいなくなって泣いているように見えるな」
Ｃ：　「……こ」
Ｚ：　「こ？」
Ｃ：　「攻撃しなきゃ……だめ？」
Ｓ：　「ここでゲームオーバーになりたいのか!?」
Ｃ：　「ううっ、こんな鬼畜なミッションがあるなんて……っ！　ごめんよう！」

――５分後。

Ｃ：　「もぐもぐ、やっぱり子芋はおいしい♪」
Ｓ：　「醤油で似たものと、こっちは味噌で煮たものだ」
Ｚ：　「おまえら、どっちが鬼畜だ……？」
Ｃ：　「なんだよ、ずいぶん長いこと運動したんだからさ、どっさり食べなきゃ。スノウなんか、20分もピコチューにたかられつづけたっていうのに、ご褒美はグロウエッグだけだ。ゆで卵にするか？」
Ｓ：　「これは食いものではないのだ、クラウド」
Ｃ：　「なんだよ、ちぇっ……」
Ｚ：　「……お疲れさん。特にスノウな」